初めての宅建士資格試験重要過去問

解けなかったら合格できない重要過去問をピックアップしていきます

宅建士試験過去問 権利関係 意思表示 2-4 平成27年

Aは、その所有する甲土地を譲渡する意思がないのに、Bと共謀して、Aを売主、Bを買主とする甲土地の仮装の売買契約を締結した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、この問において、善意または悪意とは虚偽表示の事実についての善意又は悪意とする。

1、善意のCがBから甲土地を買い受けた場合、Cがいまだ登記を備えていなくても、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない。
2、善意のCが、Bとの間で、Bが甲土地上に建てた乙建物の賃貸借契約(貸主B、借主C)を締結した場合、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない。
3、Bの債権者である善意のCが甲土地を差し押さえた場合、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない。
4、甲土地がBから悪意のCへ、Cから善意のDへ譲渡された場合、AはAB間の売買契約の無効をDに主張することができない。

胡桃「これが何の問題かは分かるわね?」
建太郎「第九十四条2項の第三者の問題だよな。第三者に該当するかどうか。その第三者が保護されるかどうかが問われているわけだ」
胡桃「そうよ。基本的な問題だわ。まずは、条文のチェックよ」

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二つのタイプの遺言書 / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり


遺言書には、大きく分けて二つのタイプがあります。

一つは、自分で作成するタイプの遺言書。もう一つは他人に作成してもらうタイプの遺言書です。

自分で作成する遺言書は「自筆証書遺言」と言います。

自筆証書遺言は、遺言者が日付と氏名を自書し、押印するという方式の遺言書です。

自筆証書遺言は、特別な手続きを踏まなくても作成することができます。目の前に紙とペンがあれば今すぐに書き始めることができます。

用紙については特別なものを用いる必要はありません。和紙である必要はありませんし、普通の便箋でもいいですし、広告の裏に書いたってもいいのです。

また、ペンについても、どんな筆記用具を用いてもかまいません。毛筆である必要はありませんし、鉛筆で書いても形式が整っていれば有効になります。

ただ、鉛筆だと、消しゴムで消すことができるので望ましくありません。遺言書の有効性が争われることになるでしょう。

一般的にはボールペンや万年筆で書くのが望ましいです。

自筆証書遺言の作成の際に注意したいことは、自書しなければならないということです。

今は、文書の作成にワープロやパソコンを使う方が多いと思いますが、ワープロやパソコンで書いた遺言書は無効です。

必ず自分の手で書かなければならないのです。

ですから、手に障害がありペンを持てない、目が見えないという方は、自筆証書遺言を作成することは難しいということになります。

法律家に代書してもらうことはできないのか?と思う方もいるかもしれませんが、たとえ、弁護士などの法律家でも、自筆証書遺言を代書することはできません。



もう一つ注意すべきことは、自筆証書遺言には日付を記載しなければならないということです。

遺言書は一度作成したら二度と作成できないというものではありません。

一度書いた遺言書を撤回して書き直すことは何度でもできます。

複数の遺言書が作成されていた場合は、その日付の前後により、最終的な遺言はどれなのかを判断しなければならないのです。

そのため、遺言書を作成した日付が大切なのです。



遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。とされていますが、自筆証書遺言はそのままでは、ただの紙切れですから、何の意味もありません。

遺言書を見つけた人が無視して捨ててしまえばそれまでです。

自筆証書遺言が有効な遺言書として機能するためには、遺言者の最後の住所地の家庭裁判所で「遺言書の検認」と言う手続きを経なければなりません。

検認とは、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。

遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。

検認を経て初めて、遺言書を基にして相続手続きを始めることができるのです。

したがって、自筆証書遺言の場合は、作成する時は、何ら手間をかけることなく、簡単にできてしまいますが、死亡した後で、相続人たちにひと手間かけてしまうことになるというわけです。



他人に作成してもらうタイプの遺言書の代表例が「公正証書遺言」です。

これは、法務大臣により任命される公証人によって作成される遺言書のことです。

公証人が遺言書の作成を希望する人から内容を聴取して、公正証書と言う形式で遺言書を作成します。

作成された遺言書は公文書として扱われるため、内容が無効とされる可能性は極めて低くなります。

また、原本が公証人役場に保管されるため、遺言書の偽造、隠匿の危険がありません。

一般的には、公証人役場に連絡して、指定された日に、赴いて、遺言書に書きたいことを述べなければなりません。

もしも、身体が不自由で動けない場合は、公証人に来てもらうこともできます。

ただし、公正証書遺言であっても、遺言者自身が意思表示できる状態でなければなりません。

民法にも、「遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。 」とされています。寝たきりでも、話すことができなくてもかまいませんが、自分の意志を正確に伝達できる必要があるのです。

また、公正証書遺言の場合は、結構な費用がかかります。

自筆証書遺言と違い、作成する時は、手間も費用もかかりますが、死亡した後は、検認の手続きを経なくても、公正証書遺言を基にして相続手続きができるので、相続人には手間をかけません。

最も安全で確実な遺言書です。



※参考条文 民法

(遺言の方式)
第九百六十条  遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。

(遺言能力)
第九百六十一条  十五歳に達した者は、遺言をすることができる。
第九百六十二条  第五条、第九条、第十三条及び第十七条の規定は、遺言については、適用しない。
第九百六十三条  遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。

(普通の方式による遺言の種類)
第九百六十七条  遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書によってしなければならない。ただし、特別の方式によることを許す場合は、この限りでない。

(自筆証書遺言)
第九百六十八条  自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2  自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

(公正証書遺言)
第九百六十九条  公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一  証人二人以上の立会いがあること。
二  遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
三  公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
四  遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
五  公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

(公正証書遺言の方式の特則)
第九百六十九条の二  口がきけない者が公正証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、前条第二号の口授に代えなければならない。この場合における同条第三号の規定の適用については、同号中「口述」とあるのは、「通訳人の通訳による申述又は自書」とする。
2  前条の遺言者又は証人が耳が聞こえない者である場合には、公証人は、同条第三号に規定する筆記した内容を通訳人の通訳により遺言者又は証人に伝えて、同号の読み聞かせに代えることができる。
3  公証人は、前二項に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証書に付記しなければならない。

(秘密証書遺言)
第九百七十条  秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一  遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
二  遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
三  遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
四  公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。
2  第九百六十八条第二項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。

(方式に欠ける秘密証書遺言の効力)
第九百七十一条  秘密証書による遺言は、前条に定める方式に欠けるものがあっても、第九百六十八条に定める方式を具備しているときは、自筆証書による遺言としてその効力を有する。

(証人及び立会人の欠格事由)
第九百七十四条  次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。
一  未成年者
二  推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
三  公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人

(遺言の効力の発生時期)
第九百八十五条  遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。
2  遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。

(遺言書の検認)
第千四条  遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。
2  前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。
3  封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。

(過料)
第千五条  前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する。



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宅建士試験過去問 権利関係 行為能力 2-3 平成26年

後見人制度に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1、成年被後見人が第三者との間で建物の贈与を受ける契約をした場合は、成年後見人は、当該法律行為を取り消すことができない。
2、成年後見人が成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却する場合には、家庭裁判所の許可を要しない。
3、未成年後見人は、自ら後見する未成年者について、後見開始の審判を請求することはできない。
4、成年後見人は家庭裁判所が選任する者であるが、未成年後見人は、必ずしも、家庭裁判所が選任する者とは限らない。


胡桃「これは条文を知っているかどうかの問題だわ」
建太郎「逆に知らない条文の問題が出てきたら、正解が分からなくなるということだな」
胡桃「そうなりたくなければ、民法の条文は第一条から第千四十四条まで目を通しておくべきよ」
建太郎「第千四十四条も読めるはずがねえ!」

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遺言書がない場合の法定相続とは / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり

遺言書がない場合は、遺産の相続は民法の法定相続に従うか、相続人同士の話し合いで分割方法を決めることになります。

では法定相続の場合、どのような形で相続が行われることになるのでしようか。以下、具体的に見て行きましょう。

亡夫(被相続人)の遺産が「持ち家2000万円、銀行預金等1000万円の合計3000万円」あったと仮定します。

1、相続人が妻一人の場合。

子供も親兄弟もいない場合は、妻一人が相続人になります。遺言書を残す必要はありません。
ただし、妻との間で、法律婚(婚姻届けが出ている)が成立していなければなりません。
内縁、事実婚の場合は、相続する権利はありませんので、遺産は原則として国庫に帰属します。
被相続人に特別な縁故があった人(特別縁故者)に相続財産の全部または一部を与えられることがあります。内縁、事実婚の妻が特別縁故者になる可能性はありますが、財産が与えられるかどうかは、家庭裁判所の裁量によります。一手間かけてしまうことになるので、妻に遺産を相続させたい場合は、婚姻届を出しておくことが大切です。



2、相続人が子供二人(長男、長女)の場合。

子供が二人で均等に分けることになります。ただ、均等に分けるということは、3000万円を二等分して、1500万円ずつ分けることになります。
その分割方法をどうするかが問題になります。持ち家に誰も住まないのであれば、持ち家を売って、現金化して分け合うだけでよいでしょう。
が、長女が住む予定であれば、売るわけにはいきません。その場合、長女が500万円の現金を手渡すか、持ち家を共有することになります。不動産の共有は後々、面倒ですから、一般的には、長女が現金を支払うことで決着することになるでしょう。
しかし、長女が親の介護を引き受けていたのであれば、長女の方がより多くの財産を受け継ぐべきなので、持ち家は長女、長男は銀行預金だけ。という分け方もありうるでしょう。
話し合いがスムーズにまとまれば問題はありませんが、火種になりそうな要素を含んでいることが分かると思います。遺言書でどのように分け合うかあらかじめ指定しておくべきでしょう。



3、相続人が妻と子供二人(長男、長女)の場合。

妻と子供二人が均等に分け合うことになります。
具体的には、妻が1500万円。長男750万円、長女750万円。という分け方になります。
この場合も、持ち家をどうするかが問題になるわけです。
妻が一人で暮らすには持ち家は大きすぎるから売るというのならば問題ありませんが、今後も妻が持ち家に住み続けるとなれば、妻が子供たちにそれぞれ250万円ずつ、合計500万円の現金を支払うのも一つの手でしょう。が、500万円の現金を支払ったら、老後の生活が成り立たなくなるということも考えうるでしょう。
そうしたことも配慮して、子供たちには、銀行預金等1000万円を二等分して、500万円ずつ受け取るだけで満足してくれという趣旨の遺言書を書き残しておくべきかもしれません。



4、相続人が妻と親(亡夫の父母)の場合。

夫が若くして亡くなってしまう場合は、こういうケースもあります。
この場合は、妻が2000万円。父母が1000万円という分け方になります。持ち家は妻が相続して、銀行預金は父母が受け取るという形が一番自然かもしれません。
が、若い妻はこれからの生活のために現金が必要でしょう。だから、全財産を妻に受け継がせることが残された妻への愛情と言えるかもしれません。
一方で、父母は息子の財産の大半を妻が持っていくことに不満を覚えるかもしれません。
婚姻関係が数年足らずと短いとか、そもそも結婚に反対していたというような場合は、遺産を巡って争いが起きることは想像に難くないと思います。
若い人でも、いつ、事故や災害で亡くなるとも限りません。若い方でも遺言書は必須なのです。
「全財産を妻に相続させる」という簡単な遺言書でもいいので、結婚と同時に作っておくくらいが望ましいと思います。



5、相続人が妻と兄弟姉妹(亡夫の弟)の場合。

妻が3、亡夫の弟が1の割合で分け合うことになります。もしも、亡夫の弟が亡くなっている場合は、その子供――甥が相続人になります。これを代襲相続と言います。
具体的には、妻が、2250万円。亡夫の弟が750万円という分け方になるわけです。
銀行預金から出せばいいだけなので何の問題もないように感じるかもしれません。
もちろん、亡夫と弟の仲が良くて、しょっちゅうお見舞いに来たり、介護も手伝ってくれたというのであれば、謝礼の意味もかねて、750万円を出すのもよいと考えるかもしれません。
が、全く疎遠な亡夫の弟に750万円も支払わなければならないとなれば、妻にとっては、面白くないことだと思います。
このような場合も、やはり、遺言書を作成することで、妻に全財産が行くようにしておくべきです。

ちなみに、各相続人には遺留分と言って、遺言書の指定に拘わらず、自分の取り分を主張できる権利がありますが、兄弟姉妹には遺留分はありません。
したがって、遺言書で全財産を妻に相続させると書いておけば、兄弟姉妹が不平をいうことはできない点も注目してください。



※参考条文

民法
法定相続分

第九百条  同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一  子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。

二  配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。

三  配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。

四  子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

代襲相続人の相続分)

第九百一条  第八百八十七条第二項又は第三項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。ただし、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従ってその相続分を定める。

2  前項の規定は、第八百八十九条第二項の規定により兄弟姉妹の子が相続人となる場合について準用する。

特別縁故者に対する相続財産の分与)

第九百五十八条の三  前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。

2  前項の請求は、第九百五十八条の期間の満了後三箇月以内にしなければならない。

遺留分の帰属及びその割合)

第千二十八条  兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
一  直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一

二  前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一



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宅建士試験過去問 権利関係 行為能力 2-2 平成28年

制限行為能力に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1、古着の仕入れ販売に関する営業を許された未成年者は、成年者と同一の行為能力を有するので、法定代理人の同意を得ないで、自己が居住するために建物を第三者から購入したとしても、その法定代理人は当該売買契約を取り消すことができない。
2、被保佐人が不動産を売却する場合には、保佐人の同意が必要であるが、贈与の申し出を拒絶する場合には、保佐人の同意は不要である。
3、成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却する際、後見監督人がいる場合には、後見監督人の許可があれば足り、家庭裁判所の許可は不要である。
4、被補助人が、補助人の同意を得なければならない行為について、同意を得ていないにもかかわらず、詐術を用いて相手方に補助人の同意を得たと信じさせた時は、被補助人は、当該行為を取り消すことができない。


建太郎「むむっ。ちょっと難しくないか?」
胡桃「そうかしら?基本を押さえていれば解ける問題だわ。条文レベルの出題よ。まず、1から見ていくわよ」

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負債が多い場合は家庭裁判所で相続放棄の手続きを三か月以内に済ませよう / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり

人が亡くなった時は、亡くなった方――被相続人の財産はその配偶者や子供――相続人に引き継がれます。

これを相続というわけですが、引き継がれる財産は銀行預金や不動産などのプラスの財産だけではありません。

被相続人が生前に完済できなかった借金やローンなどの負債も相続人に引き継がれることになるのです。

めぼしい財産がない。むしろ、借金やローンなどの負債の方が多いという場合は、相続によって、相続人は、負債を負ってしまうことになるのです。

何もしないで放っておいたとしても、親の負債なんて知らないからと白を切ることはできません。

むしろ、何の手も打たないと、自動的に法定相続が行われてしまい、知らぬ間に借金返済の催促が自分に寄せられることになるのです。

これを『法定単純承認』と言います。



親の負債を相続したくない。

そんな時は、はっきりと、自分は親の負債を受け継がないと公示する必要があります。

相続放棄」の手続きを行わなければならないのです。

ここで注意したいことは、相続放棄の手続きは家庭裁判所のみでできるということです。

家庭裁判所での手続きと言うと大変難しいことのように思うかもしれませんが、そんなことはありません。

家庭裁判所の窓口に出向いて、「相続放棄」をしますといえば、係の人が相続放棄の申述書を出してくれるので、名前や住所などを書いて出すだけでいいのです。

費用は収入印紙800円分と連絡用の郵便切手があればいいだけですし、必要な添付書類も市役所で申請できるものばかりです。

一般的な添付書類としては、
被相続人の住民票除票又は戸籍附票
申述人(放棄する方)の戸籍謄本
被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

この三点だけです。

確実に手続きをしたいならば、代理人に頼まずに、自分で家庭裁判所に出向いて書類を書いて出すようにしましょう。

相続放棄の申請ができる期間は、相続人が相続開始の原因たる事実(被相続人が亡くなったこと)及びこれにより自己が法律上相続人となった事実を知ったときから3か月以内です。

ただし、相続財産が全くないと信じ、かつ、そのように信じたことに相当な理由があるときなどは、相続財産の全部又は一部の存在を認識したときから3か月以内に申述すれば、相続放棄の申述が受理されることもあります。

いずれにしても、確実なのは、亡くなってから3か月以内に手続きを済ませてしまうということです。



相続放棄に関してよくある間違いが一つあります。

弁護士などが用意した「相続分がないことの証明書」に署名して手渡せば、それで相続放棄したことになると勘違いしているということです。

「相続分がないことの証明書」というのは、相続人間の遺産分割協議において、自分は遺産の相続をしないと意志表示するものにすぎません。

プラスの遺産がある場合に用いるものであって、負債がある場合などは全く、意味のないものなのです。



※参考条文 民法

(相続開始の原因)
第八百八十二条  相続は、死亡によって開始する。

(相続開始の場所)
第八百八十三条  相続は、被相続人の住所において開始する。



(相続の承認又は放棄をすべき期間)
第九百十五条  相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
2  相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。

第九百十六条  相続人が相続の承認又は放棄をしないで死亡したときは、前条第一項の期間は、その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から起算する。

第九百十七条  相続人が未成年者又は成年被後見人であるときは、第九百十五条第一項の期間は、その法定代理人が未成年者又は成年被後見人のために相続の開始があったことを知った時から起算する。



(単純承認の効力)
第九百二十条  相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。

(法定単純承認)
第九百二十一条  次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一  相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
二  相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三  相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。



(相続の放棄の方式)
第九百三十八条  相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。

(相続の放棄の効力)
第九百三十九条  相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。


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宅建士試験過去問 権利関係 条文の有無 2-1 平成28年

胡桃「今日から、『権利関係ステージ2』の問題に取りかかるわよ」
建太郎「権利関係ステージ2?どういう意味だい?」
胡桃「今までの問題は『ステージ1』だったのよ。出題年度を注意して見ていたかしら?平成一ケタ年代とか、十年代の問題だけだったのに気づかなかった?」
建太郎「えっ……。そういえばそうだったな。つまり、少し古めの問題だったのか?」
胡桃「そうよ。今日から、平成二十年代に出題されている問題を中心にやっていくわよ。つまり、比較的新しい過去問に取りかかるということよ。新しい傾向の出題もあるから、しっかり勉強するのよ」
建太郎「分かりました!」
胡桃「というわけで、早速一問目から見ていくわよ」



次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。

1、利息を生ずべき債権について、別段の意思表示がない時は、その利率は、年3%とする旨
2、賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づく金銭債権を履行しない時は、敷金をその債務の弁済に充てることができる旨
3、免責的債務引受は債権者と引受人となる者との契約によってすることができる旨
4、契約により当事者の一方が第三者に対して、ある給付をすることを約した時は、その第三者は、債務者に対して、直接にその給付を請求する権利を有する旨


建太郎「むむっ。簡単そうに見えて、迷う問題だな……」
胡桃「珍しいタイプの出題だわ」
建太郎「この問題を解くためには、条文を正確に暗記していなければならないということだよな」
胡桃「そうね。でも、テキストを流し読みするだけでなく、条文を確認している人なら、容易に正答を見つけられるはずよ」

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