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初めての宅建士資格試験重要過去問

解けなかったら合格できない重要過去問をピックアップしていきます

宅建士試験過去問 権利関係 契約の解除 1-24 平成17年

売買契約の解除に関する次の記述のうち、民法の規定及び、判例によれば、正しいものはどれか。

1、買主が、売主以外の第三者の所有物であることを知りつつ、売買契約を締結し、売主が売却した当該目的物の所有権を取得して、買主に移転することができない場合には、買主は、契約の解除はできるが、損害賠償請求はできない。
2、売主が、買主の代金不払を理由として売買契約を解除した場合には、売買契約は遡って消滅するので、売主は買主に対して、損害賠償請求は、できない。
3、買主が、抵当権が存在していることを知りつつ、不動産の売買契約を締結し、当該抵当権の行使によって、買主が所有権を失った場合には、買主は、売買契約の解除はできるが、売主に対して、損害賠償請求はできない。
4、買主が売主に対して、手付金を支払っていた場合には、売主は、自らが売買契約の履行に着手するまでは、買主が履行に着手していても、手付金の倍額を買主に支払うことによって、売買契約を解除することができる。

建太郎「むむっ。これは手ごわいな。契約解除について総合的に問う問題だな」
胡桃「そうね。でも結局、問われている内容は条文レベルだから、確実に得点すべきよ。まずは、1から見ていきましょう」


建太郎「1は売買契約の売主の担保責任の問題だよね。他人物売買の売主は、権利を取得して、買主に移転する義務を負っているわけだけど、それができなかったらどうするかという問題」

(他人の権利の売買における売主の義務)
第五百六十条  他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。

(他人の権利の売買における売主の担保責任)
第五百六十一条  前条の場合において、売主がその売却した権利を取得して買主に移転することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の時においてその権利が売主に属しないことを知っていたときは、損害賠償の請求をすることができない。

胡桃「そうね。条文そのままの出題だから、解説するまでもないわね。買主としては、他人のものだという事情を知って買ったならば、結局取得できないというリスクも覚悟しているはずだから、損害賠償を求めるのはおかしいだろうということね。他人物売買の売主の瑕疵担保責任では、次の条文も重要だから、チェックしておいてね」

(他人の権利の売買における善意の売主の解除権)
第五百六十二条  売主が契約の時においてその売却した権利が自己に属しないことを知らなかった場合において、その権利を取得して買主に移転することができないときは、売主は、損害を賠償して、契約の解除をすることができる。
2  前項の場合において、買主が契約の時においてその買い受けた権利が売主に属しないことを知っていたときは、売主は、買主に対し、単にその売却した権利を移転することができない旨を通知して、契約の解除をすることができる。

胡桃「次、2はどうかしら」
建太郎「これは、何を問いたいのか、意図がよく分からない問題だな」
胡桃「売買契約が解除されると契約は遡って消滅するのは分かるわね」
建太郎「分かるよ。遡及効だろ」
胡桃「そうすると、契約自体がなかったことになるわけだから、損害賠償の問題は生じないように見える。だけど、契約が立ち消えになることで損害を被る場合がないわけではない。例えば、不動産の売買が解除された場合だと、買主としては、引っ越しの準備をしていたのに、それをキャンセルしなければならなかったり、今住んでいる家の契約を延長しなければならなかったりするわけでしょ」
建太郎「そりゃそうだな。それによって被った損失を相手に請求できるということか」
胡桃「そうよ。民法にはこうあるわ」

(解除の効果)
第五百四十五条  当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。
2  前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。
3  解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。

胡桃「次、3はどうかしら?」
建太郎「抵当権が設定されている物件の売買契約における売主の担保責任の問題だよね。条文そのままの出題」

(抵当権等がある場合における売主の担保責任)
第五百六十七条  売買の目的である不動産について存した先取特権又は抵当権の行使により買主がその所有権を失ったときは、買主は、契約の解除をすることができる。
2  買主は、費用を支出してその所有権を保存したときは、売主に対し、その費用の償還を請求することができる。
3  前二項の場合において、買主は、損害を受けたときは、その賠償を請求することができる。

建太郎「抵当権が設定されている場合は、買主は善意、悪意を問わず、契約の解除も損害賠償請求もできるんだったね」
胡桃「そうよ。基本的な条文だから、再確認しておいてね。次、4はどうかしら?」
建太郎「解約手付による契約解除の問題だね。相手方が履行に着手するまでは、買主は手付を放棄して、売主は手付を倍返しすることで契約解除できるという話だったね」

(手付)
第五百五十七条  買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。
2  第五百四十五条第三項の規定は、前項の場合には、適用しない。

胡桃「そうね。ここでチェックしておきたいのは、『自らが履行に着手していたとしても、相手方が履行に着手していなければ、契約解除ができる』というのが判例だということね。この問題文は、入れ替えた出題になっているのよ」
建太郎「そういえばその通りだな。でも細かいことは考えずに、相手方が履行に着手するまでは、契約解除ができるで覚えればいいんじゃない?」
胡桃「宅建レベルではそれでいいけど、正確に覚えないと、司法書士試験を受ける時に後悔するわよ」
建太郎「俺、司法書士試験なんて、受けるつもりないから」
胡桃「もう!建太郎ったら、向上心がないわね!正解はどれかしら?」
建太郎「1だね」



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→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係1

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係2

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係3