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初めての宅建士資格試験重要過去問

解けなかったら合格できない重要過去問をピックアップしていきます

宅建士試験過去問 権利関係 損害賠償の予定 1-26 平成16年

共に宅地建物取引業者であるAB間でA所有の土地について、平成16年9月1日に売買代金3000万円(うち、手付金200万円は、9月1日に、残代金は10月31日に支払う。)とする売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1、本件売買契約に利害関係を有しないCは、10月31日を経過すれば、Bの意志に反しても残代金をAに対して支払うことができる。
2、10月31日までにAが契約の履行に着手した場合は、手付が解約手付の性格を有していても、Bが履行に着手したかどうかにかかわらず、Aは、売買契約を解除できなくなる。
3、Bの債務不履行により、Aが売買契約を解除する場合、手付金相当額を損害賠償の予定とする旨を売買契約で定めていた場合には、特約がない限り、Aの損害が200万円を超えていても、Aは手付金相当額以上に損害賠償請求はできない。
4、Aが残代金の受領を拒絶することを明確にしている場合であっても、Bは、10月31日には、2800万円をAに対して現実に提供しなければ、Bも履行遅滞の責任を負わなければならない。

建太郎「この問題は、具体的な事例形式での出題だね」
胡桃「そうね。でも、問われている内容は、条文レベルだから、合格レベルにある人ならば、正解を見つけるのに一分もかからないわ」
建太郎「一分だと。まじかよ……」
胡桃「先ず、1から見ていくわよ」



建太郎「これは、第三者弁済だよね。利害関係を有しない第三者が弁済できるかどうかの問題」
胡桃「そうね。売買契約は、双務契約だから、お互いに債務を負っている。Aは土地を引き渡す債務を負っているし、Bは、代金を支払う債務を負っている。まず、これはOKね」
建太郎「分かるよ。で、債務の履行は、債務者本人がするのが基本だけれども、第三者がしてもいい。特に、売買代金の支払いは、買主自身じゃなくてもできるわけだ」

(第三者の弁済)
第四百七十四条  債務の弁済は、第三者もすることができる。ただし、その債務の性質がこれを許さないとき、又は当事者が反対の意思を表示したときは、この限りでない。
2  利害関係を有しない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない。

胡桃「今回は、利害関係を有しないCがBの代わりに売買代金を支払うことができるかどうかの問題ね。どう考えるべきかしら?」
建太郎「条文にある通り、『利害関係を有しない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない。』履行期が到来していようとも同じ」
胡桃「どうしてそう言えるか分かるわね?」
建太郎「第三者が弁済するということは、その第三者が債権を買うようなものだからだろ。もしも、Cがヤクザみたいな人だったら、Bは、後で金を巻き上げられたり、土地を奪われたりすることになりかねない。だから、無関係の人が第三者弁済をすることを拒むことができる」
胡桃「まあ、そういうことだわね。次、2はどうかしら?」
建太郎「解約手付が交付されている場合、相手方が履行に着手するまでは、買主は、手付を放棄して、売主は手付の倍返しをすることで、契約を解除できるという基本的な論点だよね」

(手付)
第五百五十七条  買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。
2  第五百四十五条第三項の規定は、前項の場合には、適用しない。

※(解除の効果)
第五百四十五条  当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。
2  前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。
3  解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。

胡桃「そうね。自分が履行に着手していても、相手方が履行に着手していなければ、解約手付による解除ができる。ということね。何度も出てくる論点だから、再度、解説する必要はないわね。次、3はどうかしら?」
建太郎「損害賠償の予定額を決めていた場合は、実際の損害額がいくらかに関わりなく、予定していた額を請求できるんじゃなかったっけ?」

(賠償額の予定)
第四百二十条  当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。この場合において、裁判所は、その額を増減することができない。
2  賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。
3  違約金は、賠償額の予定と推定する。

胡桃「そうね。民法にある通りで、解説するまでもないわね。4はどうかしら?」
建太郎「これは常識で解けるんじゃない。最初から金を受け取らないと言っているなら、金を用意しなくたって問題ないじゃん」
「まあ、その通りだわね。とりあえず、条文をチェックしておくわよ」

(弁済の提供の方法)
第四百九十三条  弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない。ただし、債権者があらかじめその受領を拒み、又は債務の履行について債権者の行為を要するときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる。

胡桃「『弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない』のが原則ね。この設問で言えば、Bは、10月31日には、2800万円をAに対して現実に提供する必要がある。だけども、Aが最初から受け取りを拒んでいるならば、『弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる。』ということよ」
建太郎「口頭の提供で足りるということだよね」
胡桃「そうよ。というわけで、答えはどれかしら?」
建太郎「3だね」


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→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係1

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係2

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係3