初めての宅建士資格試験重要過去問

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宅建士試験過去問 権利関係 保証 1-31 平成15年

Aは、Aの所有する土地をBに売却し、Bの売買代金支払い債務について、CがAとの間で保証契約を締結した。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。

1、Cの保証債務がBとの連帯保証債務である場合、AがCに対して保証債務の履行を請求してきても、Cは、Aに対して、まず、Bに請求するように主張できる。
2、Cの保証債務にBと連帯して債務を負担する特約がない場合、AがCに対して保証債務の履行を請求してきても、Cは、Bに弁済の資力があり、かつ、執行が容易であることを証明することによって、Aの請求を拒むことができる。
3、Cの保証債務がBとの連帯保証債務である場合、Cに対する履行の請求による時効の中断は、Bに対してもその効力を生じる。
4、Cの保証債務にBと連帯して債務を負担する特約がない場合、Bに対する履行の請求その他時効の中断は、Cに対してもその効力を生じる。


胡桃「この問題は何を問う問題か分かるわね?」
建太郎「普通保証と連帯保証の違いを問う問題だね」
胡桃「条文レベルだから、確実に解きたいし、一分以内に、正解はどれか判断できるようにするべきだわ」


胡桃「まず、連帯保証は、保証債務と連帯債務の性質を合わせ持った債務だということは分かるわね?」
建太郎「わかるよ。だから、保証債務では、認められていて、連帯保証では認められないものもある。保証人である自分に請求する前に、まず主たる債務者に請求しろと抗弁することだよね」
胡桃「そうよ。何の抗弁だったかしら?」
建太郎「ええっと……」

(催告の抗弁)
第四百五十二条  債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない。

(検索の抗弁)
第四百五十三条  債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。

建太郎「催告の抗弁と検索の抗弁だったね。連帯保証では、この二つが認められていない」

(連帯保証の場合の特則)
第四百五十四条  保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条の権利を有しない。

胡桃「そうね。それが分かれば、1と2の正誤は判断できるわね。次、3はどうかしら?」
建太郎「連帯保証の場合は、連帯債務者と同様の立場に立っているようなものだから、連帯保証人が履行の請求を受けた場合、その効力が主たる債務者にも及ぶということだよね」

(連帯保証人について生じた事由の効力)
第四百五十八条  第四百三十四条から第四百四十条までの規定は、主たる債務者が保証人と連帯して債務を負担する場合について準用する。

(連帯債務者の一人に対する履行の請求)
第四百三十四条  連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対しても、その効力を生ずる。

建太郎「履行の請求を受けるということは、時効が中断するということ」

(時効の中断事由)
第百四十七条  時効は、次に掲げる事由によって中断する。
一  請求
二  差押え、仮差押え又は仮処分
三  承認

胡桃「そうね。それが分かれば、3は分かるわね。じゃあ、4はどうかしら?」
建太郎「こっちは、主たる債務者に対する請求が保証人に及ぶかどうかの問題だよね。保証契約には、付従性があるから、主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の中断は、保証人に対しても、その効力を生ずる。とされているね」

(主たる債務者について生じた事由の効力)
第四百五十七条  主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の中断は、保証人に対しても、その効力を生ずる。
2  保証人は、主たる債務者の債権による相殺をもって債権者に対抗することができる。

胡桃「そうね。じゃあ、普通保証の場合で、保証人に対して請求した場合、その効力は、主たる債務者に及ぶのかしら?」
建太郎「及ばないね。連帯関係にないし、付従性もないから」
胡桃「それが理解できていれば、4も大丈夫だわね。というわけで答えはどれかしら?」
建太郎「1だね」

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→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係1

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係2

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係3