初めての宅建士資格試験重要過去問

解けなかったら合格できない重要過去問をピックアップしていきます

宅建士試験過去問 権利関係 共有 1-56 平成9年

A及びBは、共有名義で宅地を購入し、共有持分の割合をAが三分の一、Bが三分の二と定めたが、持分割合以外には、特約をしなかった。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1、Bは、Aの同意を得なければ、自己の持分を他に譲渡することはできない。
2、Bが自己の持分を放棄した時は、Aが単独所有となる。
3、Bは、その宅地の全部について、三分の二の割合で使用する権利を有する。
4、Bだけでなく、Aもその宅地の分割請求ができる。



建太郎「よっしゃ!今度は、俺でも三十秒もかからずに、正解を見つけられたぞ」
胡桃「簡単すぎる問題だわね。宅建では、条文レベルの問題で確実に得点することが合格への近道よ。基本をしっかりと押さえることね。というわけで、1から見ていくわよ」



建太郎「1と同じ趣旨の問題は、前にも出てきたよね。共有者は、自己の持分の処分は、他の共有者の同意なしにすることができる。共有持分は所有権だからだ」

(所有権の内容)
第二百六条  所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。

建太郎「それに対して、共有物自体の処分は、他の共有者の同意を得なければならないんだよな」

(共有物の変更)
第二百五十一条  各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。

胡桃「その通りよ。2はどうかしら?」
建太郎「これも条文通りだね」

(持分の放棄及び共有者の死亡)
第二百五十五条  共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。

建太郎「他の共有者に帰属させることで、法律関係を簡素に処理しようという趣旨だったね」
胡桃「3はどうかしら?」
建太郎「これも条文のまま」

(共有物の使用)
第二百四十九条  各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。

胡桃「そうね。ここで留意しておきたいことが、共有だからと言って、宅地を持ち分に応じて分割して使用するわけではないということね。持分に応じるというのは一般的には、利用期間を持ち分に応じて割り当てることになるわ。例えば、設問の場合であれば、Aが三分の一、Bが三分の二だから、Aは一月のうち十日間。Bは二十日間利用できるといった具合ね」
建太郎「なるほど、その持分に応じた使用というのはそういう意味なんだね」
胡桃「分割するんだったら、共有にしておく意味はないでしょ。さっさと、共有物分割を行うべきよ」

(共有物の分割請求)
第二百五十六条  各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。
2  前項ただし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五年を超えることができない。

建太郎「ふむふむ。そう考えればわかりやすいな」
胡桃「次、4はどうかしら?」
建太郎「今見た、第二百五十六条の条文通りだね。各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。持分の多い人だけが分割請求できるというわけではない」
胡桃「そうね。というわけで、答えはどれかしら?」
建太郎「1だね」



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→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係1

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係2

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係3

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 法令上の制限1