初めての宅建士資格試験重要過去問

解けなかったら合格できない重要過去問をピックアップしていきます

宅建士試験過去問 権利関係 区分所有権 1-59 平成17年

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1、共用部分であっても、規約で定めることにより、特定の区分所有者の所有とすることができる。
2、専有部分であっても、規約で定めることにより、敷地利用権と分離して処分することができる。
3、構造上、区分所有者全員の共用に供されるべき建物の部分であっても、規約で定めることにより、特定の区分所有者の専有部分とすることができる。
4、区分所有者の共有に属さない敷地であっても、規約で定めることにより、区分所有者の団体の管理の対象とすることができる。


建太郎「むむっ。簡単そうに見えて、ややこしい問題だな」
胡桃「そうかしら?条文を覚えているかどうかだけの問題よ。まず、1から見ていくわよ」


建太郎「共用部分は、区分所有者全員の共有に属するのが原則だよね」

(共用部分の共有関係)
第十一条  共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。
2  前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。ただし、第二十七条第一項の場合を除いて、区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることはできない。
3  民法第百七十七条 の規定は、共用部分には適用しない。

※(管理所有)
第二十七条  管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
2  第六条第二項及び第二十条の規定は、前項の場合に準用する。

※(不動産に関する物権の変動の対抗要件
第百七十七条  不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

建太郎「ただ、2項にある通り、規約で別段の定めをすることを妨げない。尤も、管理人や区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることはできない。という制約があるけど」
胡桃「そうね。条文そのままだわね。それと比較したいのが、選択肢3ね」
建太郎「結局、同じことだよな?規約で定めれば、特定の区分所有者の専有部分とすることができるんじゃないの?」
胡桃「実はそうじゃないのよ」
建太郎「うん?」
胡桃「共用部分には、大きく分けて二つの種類があったけど、何と何か覚えているかしら?」
建太郎「法定共用部分と規約共用部分だったね。つまり、構造上当然に、共用部分になる場所――例えば、階段や廊下は法定共用部分。それに対して集会室のように専有部分になり得る部分だけど、規約によって共用部分としている場所が規約共用部分」
胡桃「そうよ。そのことが記されている条文をチェックしてごらん」

(共用部分)
第四条  数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分は、区分所有権の目的とならないものとする。
2  第一条に規定する建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができる。この場合には、その旨の登記をしなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

建太郎「あっ。はっきりと書かれているんだな。第四条の1項は、法定共用部分を意味しているわけだけど、『区分所有権の目的とならないものとする』とあるね」
胡桃「そうよ。条文をチェックしていれば、条文そのままの出題だって、すぐに分かるでしょ。だから、宅建では条文をチェックすることが大切なのよ。次、2はどうかしら?」
建太郎「本来、専有部分と敷地利用権は分離して処分することができないけど、規約で別段の定めをすることができるんだったね」

(分離処分の禁止)
第二十二条  敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。
2  前項本文の場合において、区分所有者が数個の専有部分を所有するときは、各専有部分に係る敷地利用権の割合は、第十四条第一項から第三項までに定める割合による。ただし、規約でこの割合と異なる割合が定められているときは、その割合による。
3  前二項の規定は、建物の専有部分の全部を所有する者の敷地利用権が単独で有する所有権その他の権利である場合に準用する。

※(共用部分の持分の割合)
第十四条  各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。
2  前項の場合において、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有するものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれその区分所有者の専有部分の床面積に算入するものとする。
3  前二項の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による。
4  前三項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。

胡桃「そうよ。次、4はどうかしら?」
建太郎「これも条文そのままなのかな?」
胡桃「もちろんよ。解説するまでもないわ」

(規約による建物の敷地)
第五条  区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用をする庭、通路その他の土地は、規約により建物の敷地とすることができる。
2  建物が所在する土地が建物の一部の滅失により建物が所在する土地以外の土地となつたときは、その土地は、前項の規定により規約で建物の敷地と定められたものとみなす。建物が所在する土地の一部が分割により建物が所在する土地以外の土地となつたときも、同様とする。

胡桃「条文にある通り、建物の敷地に含まれていない庭や通路でも、区分所有者が管理又は使用しているならば、規約により建物の敷地とすることができる。ということね」
建太郎「なるほど、そのまま覚えるしかないな」
胡桃「というわけで答えはどれかしら?」
建太郎「3だね」


ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキストとは?

 宅建士(宅地建物取引士)資格試験の基本テキストです。

 一般的な資格スクールのテキストとは違い、全文が小説形式で記されています。ライトノベル小説を読む感覚で、宅建士試験の勉強ができてしまうという画期的なテキストです。

 入門書ではありません。宅建士試験で問われる項目はすべて網羅しており、一部は、司法書士試験、不動産鑑定士試験レベルの内容も含んでいます。シリーズを全巻読破すれば、宅建士試験に楽々合格できるレベルの知識が身に付きます。
 初めて宅建の勉強をする方はもちろんのこと、一通り勉強した中上級者の方が、試験内容をサラッと再確認するのにも役立ちます。

 通勤時間や待機時間に、資格スクールのテキストをめくっても、集中できなくて、内容が頭に入ってこない。という悩みを抱えている方も多いと思います。
 でも、ライトノベル小説ならすんなりと読めるのでは?

 既にお持ちの資格スクールのテキストや過去問と併用してお読みいただくことで、より一層、内容を理解することができますよ。

ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキストシリーズは下記で公開しています

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係1

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係2

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係3

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 法令上の制限1

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 法令上の制限2