初めての宅建士資格試験重要過去問

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宅建士試験過去問 権利関係 無権代理 2-8 平成24年

A所有の甲土地につき、Aから売却に関する代理権を与えられていないBが、Aの代理人として、Cとの間で売買契約を締結した場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、表見代理は成立しないものとする。

1、Bの無権代理行為をAが追認した場合には、AC間の売買契約は有効となる。
2、Aの死亡により、BがAの唯一の相続人として相続した場合、Bは、Aの追認拒絶権を相続するので、自らの無権代理行為の追認を拒絶することができる。
3、Bの死亡により、AがBの唯一の相続人として相続した場合、AがBの無権代理行為の追認を拒絶しても、信義則には反せず、AC間の売買契約が当然に有効になるわけではない。
4、Aの死亡により、BがDとともにAを相続した場合、DがBの無権代理行為を追認しない限り、Bの相続分に相当する部分においても、AC間の売買契約が当然に有効になるわけではない。



胡桃「これが何の問題かは分かるわね?」
建太郎「無権代理と相続に関する問題だよな」
胡桃「基本的な判例の知識を問う問題だわ。1から見ていくわよ」



建太郎「1は条文そのままの事例だね」

無権代理
第百十三条  代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
2  追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。

建太郎「本人Aが無権代理人Bの行為を追認している以上、AC間の売買契約は有効になるんだよな」
胡桃「そうね。2はどうかしら?」
建太郎「これは判例の事例だよな。本人Aが死亡した後、唯一の相続人である無権代理人Bが相続した場合は、無権代理行為は相続と共に当然に有効になるとされている。本人の追認拒絶権を無権代理人が行使するのは、信義則に反するからだよな」
胡桃「無権代理人が単独で相続した場合だということに留意してね。3はどうかしら?」
建太郎「2のケースとは逆に、無権代理人Bが死亡して、本人Aが相続した場合だよな。この場合は、本人が本人の立場で、追認拒絶権を行使することは、信義則に反するものではないから、認められていると」
胡桃「4はどうかしら?」
建太郎「本人Aを無権代理人Bを含む複数の相続人が相続した場合の事例だよな。この場合、本人の追認権は相続人全員に不可分的に帰属することになるわけで、共同相続人全員が共同して無権代理行為を追認しない限り、無権代理人の相続分に相当する部分でも、無権代理行為が当然に有効になるわけではない。というのが判例だよな」
胡桃「そうね。2の事例との違いを比較しておいてね。というわけで答えはどれかしら?」
建太郎「2だね」



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→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係1

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係2

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係3

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 法令上の制限1

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 法令上の制限2

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 宅建業法1