初めての宅建士資格試験重要過去問

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法定相続人以外の者に遺産の一部を譲りたい場合 / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり

あなたが遺言書を書かずに亡くなった場合、あなたの遺産は、民法の定めに従い、法定相続人が相続することになります。

・法定相続人のうち、特定の者に対して、多くの遺産を譲りたい。

・後順位の法定相続人に遺産を譲りたい。

・相続人ではない人に遺産を譲りたい。

・自分が大切にしてきた思い入れのある物を理解してくれる人に譲りたい。

そうした願いを持っていたとしても、遺言書がなければ、願いをかなえることはできないのです。

もちろん、相続人の善意を信じるのならば、遺言書という形で残さずとも、口頭でこうしてくれと頼んでおくこともできなくはありません。

ただ 、あなたが亡くなった後、相続人が手の平を返してしまうこともありますし、葬儀や相続手続きなどで忙しくしている間に、ついつい忘れてしまうということもありえるでしょう。

譲りたい遺産がただ手渡すだけでよい少額の遺産であれば、問題ないかもしれませんが、不動産はもちろんのこと、自動車や宝石類、株式といったような高額のものになると、ただ手渡せばよいというわけにはいきません。

遺言書がなければ、譲渡の手続きをすることができなくて、結局、あなたの願いが叶えられないということもあるのです。



遺言によって、遺産の承継方法を定めることを遺贈といいます。

遺贈は、誰に対してもすることができます。必ずしも、相続人に対してなされる必要はないのです。

遺贈には二つの種類があります。

一つは特定遺贈。遺贈するべき物を具体的に指し示して定める場合のことを言います。

もう一つは、包括遺贈です。遺産を特定するのではなく、「遺産のうち、二分の一」といったような割合で定める場合です。

また、死因贈与という形で、特定の人に財産を譲ることもできます。

税金面では、遺贈も死因贈与も全く同じ相続税の対象です。死因贈与という名前ですが、贈与税を課されるわけではありません。

が、民法では、死因贈与を行うためには、贈与する者と譲り受ける者の契約ということですから、両者が契約を結んで事前に合意しておかなければなりません。

遺贈の場合は、遺言者の意思のみで有効になり、遺産を譲り受ける者の合意は 必要ありません。もちろん、受遺者が辞退することはできます。



特定遺贈の遺言書の文例

遺言者甲野太郎は次の通り遺言する。

遺言者は乙山次郎(住所、生年月日)に、遺言者の次の財産を遺贈する。

1、丸太銀行丸太支店のすべての預金

2、土地(登記簿の記載どおりに明記)

3、建物(登記簿の記載どおりに明記)



包括遺贈の遺言書の文例

遺言者甲野太郎は次の通り遺言する。

遺言者は乙山次郎(住所、生年月日)に、遺言者のすべての財産の弐分の壱を遺贈する。



※参考条文 民法

死因贈与
第五百五十四条  贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。

(包括遺贈及び特定遺贈)
第九百六十四条  遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。ただし、遺留分に関する規定に違反することができない。

(遺言の効力の発生時期)
第九百八十五条  遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。
2  遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。

(遺贈の放棄)
第九百八十六条  受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができる。
2  遺贈の放棄は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。

(受遺者に対する遺贈の承認又は放棄の催告)
第九百八十七条  遺贈義務者(遺贈の履行をする義務を負う者をいう。以下この節において同じ。)その他の利害関係人は、受遺者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に遺贈の承認又は放棄をすべき旨の催告をすることができる。この場合において、受遺者がその期間内に遺贈義務者に対してその意思を表示しないときは、遺贈を承認したものとみなす。

(受遺者の相続人による遺贈の承認又は放棄)
第九百八十八条  受遺者が遺贈の承認又は放棄をしないで死亡したときは、その相続人は、自己の相続権の範囲内で、遺贈の承認又は放棄をすることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

(遺贈の承認及び放棄の撤回及び取消し)
第九百八十九条  遺贈の承認及び放棄は、撤回することができない。
2  第九百十九条第二項及び第三項の規定は、遺贈の承認及び放棄について準用する。

(包括受遺者の権利義務)
第九百九十条  包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。

(受遺者による担保の請求)
第九百九十一条  受遺者は、遺贈が弁済期に至らない間は、遺贈義務者に対して相当の担保を請求することができる。停止条件付きの遺贈についてその条件の成否が未定である間も、同様とする。

(受遺者による果実の取得)
第九百九十二条  受遺者は、遺贈の履行を請求することができる時から果実を取得する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

(遺贈義務者による費用の償還請求)
第九百九十三条  第二百九十九条の規定は、遺贈義務者が遺言者の死亡後に遺贈の目的物について費用を支出した場合について準用する。
2  果実を収取するために支出した通常の必要費は、果実の価格を超えない限度で、その償還を請求することができる。

(受遺者の死亡による遺贈の失効)
第九百九十四条  遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。
2  停止条件付きの遺贈については、受遺者がその条件の成就前に死亡したときも、前項と同様とする。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

(遺贈の無効又は失効の場合の財産の帰属)
第九百九十五条  遺贈が、その効力を生じないとき、又は放棄によってその効力を失ったときは、受遺者が受けるべきであったものは、相続人に帰属する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

(相続財産に属しない権利の遺贈)
第九百九十六条  遺贈は、その目的である権利が遺言者の死亡の時において相続財産に属しなかったときは、その効力を生じない。ただし、その権利が相続財産に属するかどうかにかかわらず、これを遺贈の目的としたものと認められるときは、この限りでない。

第九百九十七条  相続財産に属しない権利を目的とする遺贈が前条ただし書の規定により有効であるときは、遺贈義務者は、その権利を取得して受遺者に移転する義務を負う。
2  前項の場合において、同項に規定する権利を取得することができないとき、又はこれを取得するについて過分の費用を要するときは、遺贈義務者は、その価額を弁償しなければならない。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

(不特定物の遺贈義務者の担保責任)
第九百九十八条  不特定物を遺贈の目的とした場合において、受遺者がこれにつき第三者から追奪を受けたときは、遺贈義務者は、これに対して、売主と同じく、担保の責任を負う。
2  不特定物を遺贈の目的とした場合において、物に瑕疵があったときは、遺贈義務者は、瑕疵のない物をもってこれに代えなければならない。

(遺贈の物上代位)
第九百九十九条  遺言者が、遺贈の目的物の滅失若しくは変造又はその占有の喪失によって第三者に対して償金を請求する権利を有するときは、その権利を遺贈の目的としたものと推定する。
2  遺贈の目的物が、他の物と付合し、又は混和した場合において、遺言者が第二百四十三条から第二百四十五条までの規定により合成物又は混和物の単独所有者又は共有者となったときは、その全部の所有権又は持分を遺贈の目的としたものと推定する。

(第三者の権利の目的である財産の遺贈)
第千条  遺贈の目的である物又は権利が遺言者の死亡の時において第三者の権利の目的であるときは、受遺者は、遺贈義務者に対しその権利を消滅させるべき旨を請求することができない。ただし、遺言者がその遺言に反対の意思を表示したときは、この限りでない。

(債権の遺贈の物上代位)
第千一条  債権を遺贈の目的とした場合において、遺言者が弁済を受け、かつ、その受け取った物がなお相続財産中に在るときは、その物を遺贈の目的としたものと推定する。
2  金銭を目的とする債権を遺贈の目的とした場合においては、相続財産中にその債権額に相当する金銭がないときであっても、その金額を遺贈の目的としたものと推定する。

(負担付遺贈)
第千二条  負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。
2  受遺者が遺贈の放棄をしたときは、負担の利益を受けるべき者は、自ら受遺者となることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

(負担付遺贈の受遺者の免責)
第千三条  負担付遺贈の目的の価額が相続の限定承認又は遺留分回復の訴えによって減少したときは、受遺者は、その減少の割合に応じて、その負担した義務を免れる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。


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