初めての宅建士資格試験重要過去問

解けなかったら合格できない重要過去問をピックアップしていきます

宅建士試験過去問 権利関係 借家権 2-52 平成26年 / 宅建はライトノベル小説で勉強しよう

借地借家法38条の定期建物賃貸借(以下、この問において定期建物賃貸借という。)に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1、定期建物賃貸借契約を締結するには、公正証書による等書面によらなければならない。
2、定期建物賃貸借契約を締結するときは、期間を一年未満としても、期間の定めのない建物の賃貸借契約とはみなされない。
3、定期建物賃貸借契約を締結するには、当該契約に係る賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了によって終了することを当該契約書と同じ書面内に記載して説明すれば足りる。
4、定期建物賃貸借契約を締結しようとする場合、賃貸人が当該契約に係る賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了によって終了することを説明しなかった時は、契約の更新がない旨の定めは無効となる。



建太郎「むむっ……。簡単そうに見えて、ちょっと迷うな……」
胡桃「条文レベルの問題よ。この程度の問題で迷っていたとしてら、条文を読み込んでいない証拠だわ」
建太郎「条文を読めというわけだな」
胡桃「そうよ。テキストで大雑把に覚えているだけだと、細かく問われたときに対応できないのよ。条文を覚えることが大切だって分かるでしょ」


胡桃「まず、借地借家法38条の規定を確認しておくわよ」

(定期建物賃貸借)
第三十八条  期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。
2  前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。
4  第一項の規定による建物の賃貸借において、期間が一年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の一年前から六月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、この限りでない。
5  第一項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が二百平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から一月を経過することによって終了する。
6  前二項の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。
7  第三十二条の規定は、第一項の規定による建物の賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しない。

※(建物賃貸借の期間)
第二十九条  期間を一年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。
2  民法第六百四条 の規定は、建物の賃貸借については、適用しない。
強行規定
第三十条  この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。

※(借賃増減請求権)
第三十二条  建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。
2  建物の借賃の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃を支払うことをもって足りる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払った額に不足があるときは、その不足額に年一割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払わなければならない。
3  建物の借賃の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃の支払を請求することができる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払を受けた額が正当とされた建物の借賃の額を超えるときは、その超過額に年一割の割合による受領の時からの利息を付してこれを返還しなければならない。

胡桃「この条文は、丸暗記するのよ」
建太郎「はあ……。マジかよ」
胡桃「この程度の条文に手こずっていたら、法令上の制限の問題に対応できないわよ。まず、1から」
建太郎「1は簡単だよな。『公正証書による等書面によって契約をするときに限り』とあるとおり。必ずしも、公正証書でなくてもよくて、書面ですれば足りるということだ」
胡桃「そうよ。公正証書による等というのは例示だということね。2はどうかしら?」
建太郎「『この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。』とあるね。定期建物賃貸借ならば、期間を一年未満とする建物の賃貸借でも、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされないわけだ」
胡桃「条文そのままだわね。3はどうかしら?」
建太郎「これがよく分からないんだよな……。契約書で説明すればいいんじゃないの?」
胡桃「2項をよく読んで」
建太郎「うん……。前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ……。『あらかじめ』。もしかして、これがキーワードなのか?」
胡桃「そうよ。契約書をかわす時点で説明するのでは遅いということよ。契約を締結する前に説明しなければならないということなの。宅建業法で言えば、重説読みの段階で説明しろということよ」
建太郎「なるほど、だから、この選択肢が間違いなのか」
胡桃「条文をよく読んでいれば分かるはずよ。4はどうかしら?」
建太郎「3項にある通りだね。『建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。』まあ、常識で分かる規定だな」
胡桃「というわけで答えは?」
建太郎「3なんだな」



ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキストとは?

 宅建士(宅地建物取引士)資格試験の基本テキストです。

 一般的な資格スクールのテキストとは違い、全文が小説形式で記されています。ライトノベル小説を読む感覚で、宅建士試験の勉強ができてしまうという画期的なテキストです。

 入門書ではありません。宅建士試験で問われる項目はすべて網羅しており、一部は、司法書士試験、不動産鑑定士試験レベルの内容も含んでいます。シリーズを全巻読破すれば、宅建士試験に楽々合格できるレベルの知識が身に付きます。
 初めて宅建の勉強をする方はもちろんのこと、一通り勉強した中上級者の方が、試験内容をサラッと再確認するのにも役立ちます。

 通勤時間や待機時間に、資格スクールのテキストをめくっても、集中できなくて、内容が頭に入ってこない。という悩みを抱えている方も多いと思います。
 でも、ライトノベル小説ならすんなりと読めるのでは?

 既にお持ちの資格スクールのテキストや過去問と併用してお読みいただくことで、より一層、内容を理解することができますよ。

ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキストシリーズは下記で公開しています

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係1

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係2

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係3

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 法令上の制限1

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 法令上の制限2

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 宅建業法1

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 宅建業法2