初めての宅建士資格試験重要過去問

解けなかったら合格できない重要過去問をピックアップしていきます

宅建士試験過去問 法令上の制限 建築基準法 1-26 平成16年 / 宅建はライトノベル小説で勉強しよう

建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1、準防火地域内においては、延べ面積が1200平方メートルの建築物は、耐火建築物としなければならない。
2、木造三階建て、延べ面積500平方メートル、高さ15メートルの一戸建て住宅について大規模の修繕をする場合は、建築確認を受ける必要はない。
3、特定行政庁は、仮設店舗について、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める場合には、一定の場合を除き、一年以内の期間を定めて、その建築を許可することができる。
4、居室を有する建築物は、住宅等の特定の用途に供する場合に限って、その居室内においてホルムアルデヒド及びクロルピリホスの発散による衛生上の支障がないよう、建築材料及び換気設備について、一定の技術基準に適合するものとしなければならない。



建太郎「むむっ……。いろいろな分野から寄せ集めた問題だな」
美里「そうだよ。条文をしっかり、読み込んでいれば解ける問題だよ」
建太郎「やっぱり、条文を正確に覚えろってことだな。あいまいな知識では太刀打ちできない」


美里「まず、1は?」
建太郎「防火地域、準防火地域の建築制限だな。確か……」

(防火地域内の建築物)
第六十一条  防火地域内においては、階数が三以上であり、又は延べ面積が百平方メートルを超える建築物は耐火建築物とし、その他の建築物は耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。ただし、次の各号の一に該当するものは、この限りでない。
一  延べ面積が五十平方メートル以内の平家建の附属建築物で、外壁及び軒裏が防火構造のもの
二  卸売市場の上家又は機械製作工場で主要構造部が不燃材料で造られたものその他これらに類する構造でこれらと同等以上に火災の発生のおそれの少ない用途に供するもの
三  高さ二メートルを超える門又は塀で不燃材料で造り、又は覆われたもの
四  高さ二メートル以下の門又は塀

(準防火地域内の建築物)
第六十二条  準防火地域内においては、地階を除く階数が四以上である建築物又は延べ面積が千五百平方メートルを超える建築物は耐火建築物とし、延べ面積が五百平方メートルを超え千五百平方メートル以下の建築物は耐火建築物又は準耐火建築物とし、地階を除く階数が三である建築物は耐火建築物、準耐火建築物又は外壁の開口部の構造及び面積、主要構造部の防火の措置その他の事項について防火上必要な政令で定める技術的基準に適合する建築物としなければならない。ただし、前条第二号に該当するものは、この限りでない。
2  準防火地域内にある木造建築物等は、その外壁及び軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造とし、これに附属する高さ二メートルを超える門又は塀で当該門又は塀が建築物の一階であるとした場合に延焼のおそれのある部分に該当する部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない。

建太郎「条文にある通り、準防火地域は、『地階を除く階数が四以上である建築物又は延べ面積が千五百平方メートルを超える建築物』は耐火建築物としなければならないとされている。1500平方メートルだな」
美里「そうだよ。2はどう?」
建太郎「建築確認が必要な場合だな。条文は……」

(建築物の建築等に関する申請及び確認) 抜粋

第六条  建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。)その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。当該確認を受けた建築物の計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をして、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合も、同様とする。
一  別表第一い欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が百平方メートルを超えるもの
二  木造の建築物で三以上の階数を有し、又は延べ面積が五百平方メートル、高さが十三メートル若しくは軒の高さが九メートルを超えるもの
三  木造以外の建築物で二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超えるもの
四  前三号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域若しくは準都市計画区域(いずれも都道府県知事が都道県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。)若しくは景観法 (平成十六年法律第百十号)第七十四条第一項 の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く。)内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物
2  前項の規定は、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内であるときについては、適用しない。

建太郎「木造の大規模建築物の場合は、大規模の修繕も建築確認が必要とされている。木造の大規模建築物というのは、『木造の建築物で三以上の階数を有し、又は延べ面積が五百平方メートル、高さが十三メートル若しくは軒の高さが九メートルを超えるもの』だから、選択肢の建築物も当てはまるな」
美里「そうだよね。3はどう?」
建太郎「ちょっとまて。こんな規定あったっけ?」
美里「あるよ。第八十五条だよ」

(仮設建築物に対する制限の緩和)
第八十五条  非常災害があつた場合において、その発生した区域又はこれに隣接する区域で特定行政庁が指定するものの内においては、災害により破損した建築物の応急の修繕又は次の各号のいずれかに該当する応急仮設建築物の建築でその災害が発生した日から一月以内にその工事に着手するものについては、建築基準法令の規定は、適用しない。ただし、防火地域内に建築する場合については、この限りでない。
一  国、地方公共団体又は日本赤十字社が災害救助のために建築するもの
二  被災者が自ら使用するために建築するもので延べ面積が三十平方メートル以内のもの
2  災害があつた場合において建築する停車場、官公署その他これらに類する公益上必要な用途に供する応急仮設建築物又は工事を施工するために現場に設ける事務所、下小屋、材料置場その他これらに類する仮設建築物については、第六条から第七条の六まで、第十二条第一項から第四項まで、第十五条、第十八条(第二十五項を除く。)、第十九条、第二十一条から第二十三条まで、第二十六条、第三十一条、第三十三条、第三十四条第二項、第三十五条、第三十六条(第十九条、第二十一条、第二十六条、第三十一条、第三十三条、第三十四条第二項及び第三十五条に係る部分に限る。)、第三十七条、第三十九条及び第四十条の規定並びに第三章の規定は、適用しない。ただし、防火地域又は準防火地域内にある延べ面積が五十平方メートルを超えるものについては、第六十三条の規定の適用があるものとする。
3  前二項の応急仮設建築物を建築した者は、その建築工事を完了した後三月を超えて当該建築物を存続しようとする場合においては、その超えることとなる日前に、特定行政庁の許可を受けなければならない。ただし、当該許可の申請をした場合において、その超えることとなる日前に当該申請に対する処分がされないときは、当該処分がされるまでの間は、なお当該建築物を存続することができる。
4  特定行政庁は、前項の許可の申請があつた場合において、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるときは、二年以内の期間を限つて、その許可をすることができる。
5  特定行政庁は、仮設興行場、博覧会建築物、仮設店舗その他これらに類する仮設建築物について安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める場合においては、一年以内の期間(建築物の工事を施工するためその工事期間中当該従前の建築物に替えて必要となる仮設店舗その他の仮設建築物については、特定行政庁が当該工事の施工上必要と認める期間)を定めてその建築を許可することができる。この場合においては、第十二条第一項から第四項まで、第二十一条から第二十七条まで、第三十一条、第三十四条第二項、第三十五条の二及び第三十五条の三の規定並びに第三章の規定は、適用しない。

美里「選択肢に出ているのは5項だよ」
建太郎「ふーむ。条文そのままの出題だったんだな」
美里「4はどう?」
建太郎「シックハウス対策だよな。その通りなんじゃない?」
美里「条文を確認しておくよ」

石綿その他の物質の飛散又は発散に対する衛生上の措置)
第二十八条の二  建築物は、石綿その他の物質の建築材料からの飛散又は発散による衛生上の支障がないよう、次に掲げる基準に適合するものとしなければならない。
一  建築材料に石綿その他の著しく衛生上有害なものとして政令で定める物質(次号及び第三号において「石綿等」という。)を添加しないこと。
二  石綿等をあらかじめ添加した建築材料(石綿等を飛散又は発散させるおそれがないものとして国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものを除く。)を使用しないこと。
三  居室を有する建築物にあつては、前二号に定めるもののほか、石綿等以外の物質でその居室内において衛生上の支障を生ずるおそれがあるものとして政令で定める物質の区分に応じ、建築材料及び換気設備について政令で定める技術的基準に適合すること。

美里「この規定は建築基準法に定められているものだよ。石綿等以外の物質については、施行令に定められているよ」

建築基準法施行令
(居室を有する建築物の建築材料についてのクロルピリホスに関する技術的基準)
第二十条の六  建築材料についてのクロルピリホスに関する法第二十八条の二第三号 の政令で定める技術的基準は、次のとおりとする。
一  建築材料にクロルピリホスを添加しないこと。
二  クロルピリホスをあらかじめ添加した建築材料(添加したときから長期間経過していることその他の理由によりクロルピリホスを発散させるおそれがないものとして国土交通大臣が定めたものを除く。)を使用しないこと。

(居室を有する建築物の建築材料についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準)
第二十条の七  建築材料についてのホルムアルデヒドに関する法第二十八条の二第三号 の政令で定める技術的基準は、次のとおりとする。
一  居室(常時開放された開口部を通じてこれと相互に通気が確保される廊下その他の建築物の部分を含む。以下この節において同じ。)の壁、床及び天井(天井のない場合においては、屋根)並びにこれらの開口部に設ける戸その他の建具の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。以下この条及び第百八条の三第一項第一号において「内装」という。)の仕上げには、夏季においてその表面積一平方メートルにつき毎時〇・一二ミリグラムを超える量のホルムアルデヒドを発散させるものとして国土交通大臣が定める建築材料(以下この条において「第一種ホルムアルデヒド発散建築材料」という。)を使用しないこと。
二  居室の内装の仕上げに、夏季においてその表面積一平方メートルにつき毎時〇・〇二ミリグラムを超え〇・一二ミリグラム以下の量のホルムアルデヒドを発散させるものとして国土交通大臣が定める建築材料(以下この条において「第二種ホルムアルデヒド発散建築材料」という。)又は夏季においてその表面積一平方メートルにつき毎時〇・〇〇五ミリグラムを超え〇・〇二ミリグラム以下の量のホルムアルデヒドを発散させるものとして国土交通大臣が定める建築材料(以下この条において「第三種ホルムアルデヒド発散建築材料」という。)を使用するときは、それぞれ、第二種ホルムアルデヒド発散建築材料を使用する内装の仕上げの部分の面積に次の表(一)の項に定める数値を乗じて得た面積又は第三種ホルムアルデヒド発散建築材料を使用する内装の仕上げの部分の面積に同表(二)の項に定める数値を乗じて得た面積(居室の内装の仕上げに第二種ホルムアルデヒド発散建築材料及び第三種ホルムアルデヒド発散建築材料を使用するときは、これらの面積の合計)が、当該居室の床面積を超えないこと。
(以下略)

建太郎「むむっ……。もしかして、毎時〇・〇二ミリグラムを超え〇・一二ミリグラム以下なんていう数字を覚えなければならないのか?」
美里「そんなことは、建築士試験を受けるのでなければ、覚える必要はないよ。この選択肢で問うているのは、『住宅等の特定の用途に供する場合に限って、』なのかどうかだよ」
建太郎「そんな限定規定はないよな。第二十八条の二第三号には、『居室を有する建築物にあつては、』とあるだけだ」
美里「そう。それが分かれば、この選択肢が誤りだってわかるでしょ」
建太郎「なんだ。それだけの話かよ」
美里「そうだよ。宅建士試験なんだから、建築基準法については、それほど深く突っ込むわけじゃないんだよ。というわけで答えは?」
建太郎「3なんだな」



ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキストとは?

 宅建士(宅地建物取引士)資格試験の基本テキストです。

 一般的な資格スクールのテキストとは違い、全文が小説形式で記されています。ライトノベル小説を読む感覚で、宅建士試験の勉強ができてしまうという画期的なテキストです。

 入門書ではありません。宅建士試験で問われる項目はすべて網羅しており、一部は、司法書士試験、不動産鑑定士試験レベルの内容も含んでいます。シリーズを全巻読破すれば、宅建士試験に楽々合格できるレベルの知識が身に付きます。
 初めて宅建の勉強をする方はもちろんのこと、一通り勉強した中上級者の方が、試験内容をサラッと再確認するのにも役立ちます。

 通勤時間や待機時間に、資格スクールのテキストをめくっても、集中できなくて、内容が頭に入ってこない。という悩みを抱えている方も多いと思います。
 でも、ライトノベル小説ならすんなりと読めるのでは?

 既にお持ちの資格スクールのテキストや過去問と併用してお読みいただくことで、より一層、内容を理解することができますよ。

ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキストシリーズは下記で公開しています

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係1

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係2

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係3

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 法令上の制限1

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 法令上の制限2

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 宅建業法1

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 宅建業法2

→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト その他編