初めての宅建士資格試験重要過去問

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宅建士試験過去問 法令上の制限 土地区画整理法 1-36 平成8年 / 宅建はライトノベル小説で勉強しよう

土地区画整整理事業の施行区域において、仮換地の指定がされた場合に関する次の記述のうち、土地区画整理法の規定によれば、正しいものはどれか。

1、仮換地の指定を受けて、その使用収益をすることができるものが、当該仮換地上で行う建築物の新築については、都道府県知事の許可が必要になる場合はない。
2、従前の宅地の所有者は、仮換地の指定により、従前の宅地に抵当権を設定することはできなくなり、当該仮換地について、抵当権を設定することができる。
3、従前の宅地の所有者は、換地処分の公告がある日までの間において、当該宅地を売却することができ、その場合の所有権移転登記は、従前の宅地について、行うことになる。
4、仮換地の指定を受けた者は、その使用収益を開始できる日が仮換地指定の効力発生日と別に定められている場合、その使用収益を開始できる日まで、従前の宅地を使用収益できる。



美里「これも基本的な問題だよね」
建太郎「うん。そうだな。条文レベルの出題だって、俺でもわかるよ」
美里「何しろ、平成一桁年代の問題だからね」



美里「まず、1は?」
建太郎「仮換地は、仮の土地だし、仮換地の指定を受けた時点では、まだ、工事が完全に終わったわけじゃないから、好き勝手に建築物を建てられるわけじゃないよな」
美里「そうだよ。条文を確認しておくよ」

(建築行為等の制限)
第七十六条  次に掲げる公告があつた日後、第百三条第四項の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは建築物その他の工作物の新築、改築若しくは増築を行い、又は政令で定める移動の容易でない物件の設置若しくは堆積を行おうとする者は、国土交通大臣が施行する土地区画整理事業にあつては国土交通大臣の、その他の者が施行する土地区画整理事業にあつては都道府県知事(市の区域内において個人施行者、組合若しくは区画整理会社が施行し、又は市が第三条第四項の規定により施行する土地区画整理事業にあつては、当該市の長。以下この条において「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならない。
一  個人施行者が施行する土地区画整理事業にあつては、その施行についての認可の公告又は施行地区の変更を含む事業計画の変更(以下この項において「事業計画の変更」という。)についての認可の公告
二  組合が施行する土地区画整理事業にあつては、第二十一条第三項の公告又は事業計画の変更についての認可の公告
三  区画整理会社が施行する土地区画整理事業にあつては、その施行についての認可の公告又は事業計画の変更についての認可の公告
四  市町村、都道府県又は国土交通大臣が第三条第四項又は第五項の規定により施行する土地区画整理事業にあつては、事業計画の決定の公告又は事業計画の変更の公告
五  機構等が第三条の二又は第三条の三の規定により施行する土地区画整理事業にあつては、施行規程及び事業計画の認可の公告又は事業計画の変更の認可の公告
2  都道府県知事等は、前項に規定する許可の申請があつた場合において、その許可をしようとするときは、施行者の意見を聴かなければならない。
3  国土交通大臣又は都道府県知事等は、第一項に規定する許可をする場合において、土地区画整理事業の施行のため必要があると認めるときは、許可に期限その他必要な条件を付することができる。この場合において、これらの条件は、当該許可を受けた者に不当な義務を課するものであつてはならない。
4  国土交通大臣又は都道府県知事等は、第一項の規定に違反し、又は前項の規定により付した条件に違反した者がある場合においては、これらの者又はこれらの者から当該土地、建築物その他の工作物又は物件についての権利を承継した者に対して、相当の期限を定めて、土地区画整理事業の施行に対する障害を排除するため必要な限度において、当該土地の原状回復を命じ、又は当該建築物その他の工作物若しくは物件の移転若しくは除却を命ずることができる。
5  前項の規定により土地の原状回復を命じ、又は建築物その他の工作物若しくは物件の移転若しくは除却を命じようとする場合において、過失がなくてその原状回復又は移転若しくは除却を命ずべき者を確知することができないときは、国土交通大臣又は都道府県知事等は、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、これを原状回復し、又は移転し、若しくは除却すべき旨及びその期限までに原状回復し、又は移転し、若しくは除却しないときは、国土交通大臣若しくは都道府県知事等又はその命じた者若しくは委任した者が、原状回復し、又は移転し、若しくは除却する旨をあらかじめ公告しなければならない。


美里「ちなみに、第百三条第四項の公告って何かわかるよね」
建太郎「換地処分の公告じゃない。つまり、土地区画整理事業が終わりましたという公告」

(換地処分)
第百三条  換地処分は、関係権利者に換地計画において定められた関係事項を通知してするものとする。
2  換地処分は、換地計画に係る区域の全部について土地区画整理事業の工事が完了した後において、遅滞なく、しなければならない。ただし、規準、規約、定款又は施行規程に別段の定めがある場合においては、換地計画に係る区域の全部について工事が完了する以前においても換地処分をすることができる。
3  個人施行者、組合、区画整理会社、市町村又は機構等は、換地処分をした場合においては、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
4  国土交通大臣は、換地処分をした場合においては、その旨を公告しなければならない。都道府県知事は、都道府県が換地処分をした場合又は前項の届出があつた場合においては、換地処分があつた旨を公告しなければならない。
5  換地処分の結果、市町村の区域内の町又は字の区域又は名称について変更又は廃止をすることが必要となる場合においては、前項の公告に係る換地処分の効果及びこれらの変更又は廃止の効力が同時に発生するように、その公告をしなければならない。
6  換地処分については、行政手続法第三章 の規定は、適用しない。

美里「常識だから押さえておいてね。2はどう?」
建太郎「仮換地の指定の段階では、不動産登記とかは、従前の宅地に残っているんじゃなかった」
美里「そうだね。不動産登記を書き直すのは、換地処分が終わってからだからね。仮換地の指定と換地処分の効果について比較しておいてね」

(仮換地の指定の効果)
第九十九条  前条第一項の規定により仮換地が指定された場合においては、従前の宅地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から第百三条第四項の公告がある日まで、仮換地又は仮換地について仮に使用し、若しくは収益することができる権利の目的となるべき宅地若しくはその部分について、従前の宅地について有する権利の内容である使用又は収益と同じ使用又は収益をすることができるものとし、従前の宅地については、使用し、又は収益することができないものとする。
2  施行者は、前条第一項の規定により仮換地を指定した場合において、その仮換地に使用又は収益の障害となる物件が存するときその他特別の事情があるときは、その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を同条第五項に規定する日と別に定めることができる。この場合においては、同項及び同条第六項の規定による通知に併せてその旨を通知しなければならない。
3  前二項の場合においては、仮換地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者は、前条第五項に規定する日(前項前段の規定によりその仮換地について使用又は収益を開始することができる日を別に定めた場合においては、その日)から第百三条第四項の公告がある日まで、当該仮換地を使用し、又は収益することができない。

(換地処分の効果)
第百四条  前条第四項の公告があつた場合においては、換地計画において定められた換地は、その公告があつた日の翌日から従前の宅地とみなされるものとし、換地計画において換地を定めなかつた従前の宅地について存する権利は、その公告があつた日が終了した時において消滅するものとする。
2  前条第四項の公告があつた場合においては、従前の宅地について存した所有権及び地役権以外の権利又は処分の制限について、換地計画において換地について定められたこれらの権利又は処分の制限の目的となるべき宅地又はその部分は、その公告があつた日の翌日から従前の宅地について存したこれらの権利又は処分の制限の目的である宅地又はその部分とみなされるものとし、換地計画において換地について目的となるべき宅地の部分を定められなかつたこれらの権利は、その公告があつた日が終了した時において消滅するものとする。
3  前二項の規定は、行政上又は裁判上の処分で従前の宅地に専属するものに影響を及ぼさない。
4  施行地区内の宅地について存する地役権は、第一項の規定にかかわらず、前条第四項の公告があつた日の翌日以後においても、なお従前の宅地の上に存する。
5  土地区画整理事業の施行に因り行使する利益がなくなつた地役権は、前条第四項の公告があつた日が終了した時において消滅する。
6  第八十九条の四又は第九十一条第三項の規定により換地計画において土地の共有持分を与えられるように定められた宅地を有する者は、前条第四項の公告があつた日の翌日において、換地計画において定められたところにより、その土地の共有持分を取得するものとする。この場合において、従前の宅地について存した先取特権、質権若しくは抵当権又は仮登記、買戻しの特約その他権利の消滅に関する事項の定めの登記若しくは処分の制限の登記に係る権利は、同項の公告があつた日の翌日以後においては、その土地の共有持分の上に存するものとする。
7  第九十三条第一項、第二項、第四項又は第五項の規定により換地計画において建築物の一部及びその建築物の存する土地の共有持分を与えられるように定められた宅地又は借地権を有する者は、前条第四項の公告があつた日の翌日において、換地計画において定められたところにより、その建築物の一部及びその建築物の存する土地の共有持分を取得するものとする。前項後段の規定は、この場合について準用する。
8  第九十四条の規定により換地計画において定められた清算金は、前条第四項の公告があつた日の翌日において確定する。
9  第九十五条第二項又は第三項の規定により換地計画において定められた換地は、前条第四項の公告があつた日の翌日において、当該換地の所有者となるべきものとして換地計画において定められた者が取得する。
10  第九十五条の二の規定により換地計画において参加組合員に対して与えるべきものとして定められた宅地は、前条第四項の公告があつた日の翌日において、当該宅地の所有者となるべきものとして換地計画において定められた参加組合員が取得する。
11  第九十六条第一項又は第二項の規定により換地計画において定められた保留地は、前条第四項の公告があつた日の翌日において、施行者が取得する。

美里「3はどう?」
建太郎「換地処分が終わるまでは、古い登記簿が残っているわけだから、それに基づいて、登記するしかないよな。というわけで正しいんじゃない」
美里「正解。4はどう?」
建太郎「こういう場合、従前の宅地も仮換地も使用収益できなくなるんだよな。第九十九条にある通り。もちろん、損害があれば、補償を受けられることになっている」

(仮換地の指定等に伴う補償)
第百一条  従前の宅地の所有者及びその宅地について地上権、永小作権、賃借権その他の宅地を使用し、又は収益することができる権利を有する者が、第九十九条第二項の規定によりその仮換地について使用又は収益を開始することができる日を別に定められたため、従前の宅地について使用し、又は収益することができなくなつたことにより損失を受けた場合においては、施行者は、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
2  仮換地の所有者及びその仮換地について地上権、永小作権、賃借権その他の土地を使用し、又は収益することができる権利を有する者が、第九十九条第三項の規定によりその仮換地を使用し、又は収益することができなくなつたことに因り損失を受けた場合においては、施行者は、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
3  従前の宅地の所有者及びその宅地について地上権、永小作権、賃借権その他の宅地を使用し、又は収益することができる権利を有する者が、第百条第二項の規定によりその従前の宅地を使用し、又は収益することができなくなつたことに因り損失を受けた場合においては、施行者は、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
4  第七十三条第二項及び第三項の規定は、前各項の規定による損失の補償について準用する。
5  第七十八条第五項及び第六項の規定は、施行者が第一項から第三項までの規定による補償金を支払う場合について準用する。この場合において、同条第五項中「その建築物等について」とあるのは、「当該宅地又はその宅地について存する権利について」と読み替えるものとする。

美里「そうだね。というわけで答えは?」
建太郎「3だね」



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