宅建士試験過去問 法令上の制限 宅地造成等規制法 2-33 平成27年 / 宅建はライトノベル小説で勉強しよう
宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問いにおいて、都道府県知事とは、地方自治法に基づく、指定都市、中核市にあっては、その長をいうものとする。
1、都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内の宅地について、宅地造成に伴う災害を防止するために必要があると認める場合には、その宅地の所有者に対して、擁壁等の設置等の措置をとることを勧告することができる。
2、宅地造成工事規制区域の指定の際に、当該宅地造成工事規制区域内において、宅地造成工事を行っている者は、当該工事について、改めて、都道府県知事の許可を受けなければならない。
3、宅地造成に関する工事の許可を受けた者が、工事施行者を変更する場合には、遅滞なくその旨を届け出ればよく、改めて許可を受ける必要はない。
4、宅地造成工事規制区域内において、宅地を造成するために切土をする土地の面積が500平方メートルであって、盛土を生じない場合、切土をした部分に生じる崖の高さが1.5メートルであれば、都道府県知事の許可は必要ない。
美里「これも基本的な条文をしっかり押さえていれば、簡単に解ける問題だよね」
建太郎「ああ。だいぶ慣れてきたぞ」
美里「まず、1はどう?」
建太郎「その通りでいいんだよな」
(宅地の保全等)
第十六条 宅地造成工事規制区域内の宅地の所有者、管理者又は占有者は、宅地造成(宅地造成工事規制区域の指定前に行われたものを含む。以下次項、次条第一項及び第二十四条において同じ。)に伴う災害が生じないよう、その宅地を常時安全な状態に維持するように努めなければならない。
2 都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内の宅地について、宅地造成に伴う災害の防止のため必要があると認める場合においては、その宅地の所有者、管理者、占有者、造成主又は工事施行者に対し、擁壁等の設置又は改造その他宅地造成に伴う災害の防止のため必要な措置をとることを勧告することができる。
美里「所有者だけでなくて、管理者、占有者、造成主又は工事施行者に対しても、勧告ができることを押さえておいてね」
建太郎「OK」
美里「2はどう?」
建太郎「宅地造成工事を行っている時に、宅地造成工事規制区域に指定されちゃった場合だよな。その場合は、許可を受けろというのは無茶だから、届出でいいんだよな」
(工事等の届出)
第十五条 宅地造成工事規制区域の指定の際、当該宅地造成工事規制区域内において行われている宅地造成に関する工事の造成主は、その指定があつた日から二十一日以内に、国土交通省令で定めるところにより、当該工事について都道府県知事に届け出なければならない。
2 宅地造成工事規制区域内の宅地において、擁壁等に関する工事その他の工事で政令で定めるものを行おうとする者(第八条第一項本文若しくは第十二条第一項の許可を受け、又は同条第二項の規定による届出をした者を除く。)は、その工事に着手する日の十四日前までに、国土交通省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
3 宅地造成工事規制区域内において、宅地以外の土地を宅地に転用した者(第八条第一項本文若しくは第十二条第一項の許可を受け、又は同条第二項の規定による届出をした者を除く。)は、その転用した日から十四日以内に、国土交通省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
美里「二十一日以内にという日数も押さえておいてね」
建太郎「OK」
美里「3はどう?」
建太郎「ええっと……。工事施行者の変更が軽微な変更に当たるかどうかの問題なんだよな」
(変更の許可等)
第十二条 第八条第一項本文の許可を受けた者は、当該許可に係る宅地造成に関する工事の計画の変更をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、国土交通省令で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。
2 第八条第一項本文の許可を受けた者は、前項ただし書の国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
3 第八条第二項及び第三項並びに前三条の規定は、第一項の許可について準用する。
4 第一項又は第二項の場合における次条の規定の適用については、第一項の許可又は第二項の規定による届出に係る変更後の内容を第八条第一項本文の許可の内容とみなす。
美里「そうだよ。軽微な変更といえる?」
建太郎「ええっと……。国土交通省令を見ろということだな。ずらっと書かれているんだろうな……」
宅地造成等規制法施行規則
(軽微な変更)
第二十六条 法第十二条第一項 ただし書の国土交通省令で定める軽微な変更は、次に掲げるものとする。
一 造成主、設計者又は工事施行者の変更
二 工事の着手予定年月日又は工事の完了予定年月日の変更
建太郎「あれっ。これだけ?」
美里「そうだよ。だからこれくらい覚えてよね」
建太郎「ふーむ。造成主、設計者又は工事施行者の変更は軽微な変更なんだな」
美里「4はどう?」
建太郎「切土の場合は2メートルを超える場合に許可が必要なんだよな。それから、面積要件は500平方メートルを超える場合」
宅地造成等規制法施行令
(宅地造成)
第三条 法第二条第二号 の政令で定める土地の形質の変更は、次に掲げるものとする。
一 切土であつて、当該切土をした土地の部分に高さが二メートルを超える崖を生ずることとなるもの
二 盛土であつて、当該盛土をした土地の部分に高さが一メートルを超える崖を生ずることとなるもの
三 切土と盛土とを同時にする場合における盛土であつて、当該盛土をした土地の部分に高さが一メートル以下の崖を生じ、かつ、当該切土及び盛土をした土地の部分に高さが二メートルを超える崖を生ずることとなるもの
四 前三号のいずれにも該当しない切土又は盛土であつて、当該切土又は盛土をする土地の面積が五百平方メートルを超えるもの
美里「そうだね。いずれの場合も、『超える』場合に許可が必要だと押さえておいてね。ぴったりの場合は許可は必要ないよ」
建太郎「うん。OK」
美里「というわけで答えは?」
建太郎「2だね」
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→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 法令上の制限2
→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 宅建業法1
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