初めての宅建士資格試験重要過去問

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宅建士試験過去問 法令上の制限 国土利用計画法 2-35 平成23年 / 宅建はライトノベル小説で勉強しよう

国土利用計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問いにおいて、「事後届出」とは、法23条に規定する都道府県知事(地方自治法に基づく指定都市にあっては、当該指定都市の長)への届出を言う。

1、都道府県知事は、法24条1項の規定による勧告に基づき、当該土地の利用目的が変更された場合において、必要があると認める時は、当該土地に関する権利の処分についてのあっせん、その他の措置を講じなければならない。
2、都道府県知事が監視区域の指定について、土地利用審査会の確認を受けられなかったときは、その旨を公告しなければならない。なお、監視区域の指定は、当該公告があったときは、その指定の時にさかのぼって、その効力を失う。
3、Aが、市街化区域において、2500平方メートルの工場建設用地を確保するため、そのうち、1500平方メートルをB社から購入し、残りの1000平方メートルをC社から贈与で取得した。この場合、Aは、事後届出を行う必要はない。
4、Dが所有する市街化調整区域内の土地5000平方メートルとEが所有する都市計画区域外の土地12000平方メートルを交換した場合、D及びEは、事後届出を行う必要はない。



美里「今日は、国土利用計画法の問題だよ」
建太郎「はあ……。国土利用計画法も細かい数字を覚えなきゃいけないんだよな」
美里「どれも基本的な問題だから、解けなければだめだよ」



美里「まず、1。第二十四条の勧告とは何かを押さえておくよ」

(土地の利用目的に関する勧告)
第二十四条  都道府県知事は、前条第一項の規定による届出があつた場合において、その届出に係る土地に関する権利の移転又は設定後における土地の利用目的に従つた土地利用が土地利用基本計画その他の土地利用に関する計画(国土交通省令で定めるところにより、公表されているものに限る。)に適合せず、当該土地を含む周辺の地域の適正かつ合理的な土地利用を図るために著しい支障があると認めるときは、土地利用審査会の意見を聴いて、その届出をした者に対し、その届出に係る土地の利用目的について必要な変更をすべきことを勧告することができる。
2  前項の規定による勧告は、前条第一項の規定による届出があつた日から起算して三週間以内にしなければならない。
3  都道府県知事は、前条第一項の規定による届出があつた場合において、実地の調査を行うため必要があるときその他前項の期間内にその届出をした者に対し第一項の規定による勧告をすることができない合理的な理由があるときは、三週間の範囲内において、前項の期間を延長することができる。この場合においては、その届出をした者に対し、同項の期間内に、その延長する期間及びその期間を延長する理由を通知しなければならない。

美里「勧告が出せるのは何に対してか分かるよね?」
建太郎「土地の利用目的についてだな」
美里「で、問題は、勧告に従って、土地の利用目的について変更した場合、都道府県知事は、あっせんをしなければならないのかどうかだよ」
建太郎「うーん。そんな感じの規定あったよな。正しいんじゃない?」
美里「ブー。不正解」
建太郎「マジかよ」
美里「まず、条文を読むよ」

(土地に関する権利の処分についてのあつせん等)
第二十七条  都道府県知事は、第二十四条第一項の規定による勧告に基づき当該土地の利用目的が変更された場合において、必要があると認めるときは、当該土地に関する権利の処分についてのあつせんその他の措置を講ずるよう努めなければならない。

美里「問題文とどこが違うかわかる?」
建太郎「ええっと……。あっ、『努めなければならない。』となっているんだな。努力義務にすぎないわけか」
美里「そうだよ。だから、選択肢1は間違いだってわかるよね」
建太郎「なるほどな」
美里「2はどう?」
建太郎「うーん。こんな規定あったっけ?」
美里「まず、監視区域の指定がどのようになされるかを確認しておくよ」

(監視区域の指定)
第二十七条の六  都道府県知事は、当該都道府県の区域のうち、地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがあり、これによつて適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域(第十二条第一項の規定により規制区域として指定された区域を除く。)を、期間を定めて、監視区域として指定することができる。
2  都道府県知事は、監視区域を指定しようとする場合には、あらかじめ、土地利用審査会及び関係市町村長の意見を聴かなければならない。

建太郎「あらかじめ、土地利用審査会及び関係市町村長の意見を聴けばいいんだよな。確認とかじゃなくて」
美里「そうだよ」
建太郎「じゃあ、確認とか公告って何なんだ?」
美里「これは、規制区域の指定の場合だよ。ややこしい手順を踏まなければならないことになっているんだ」


(規制区域の指定)
第十二条  都道府県知事は、当該都道府県の区域のうち、次に掲げる区域を、期間を定めて、規制区域として指定するものとする。
一  都市計画法 (昭和四十三年法律第百号)第四条第二項 に規定する都市計画区域にあつては、その全部又は一部の区域で土地の投機的取引が相当範囲にわたり集中して行われ、又は行われるおそれがあり、及び地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがあると認められるもの
二  都市計画法第四条第二項 に規定する都市計画区域以外の区域にあつては、前号の事態が生ずると認められる場合において、その事態を緊急に除去しなければ適正かつ合理的な土地利用の確保が著しく困難となると認められる区域
2  規制区域の指定の期間は、次項の規定による公告があつた日から起算して五年以内で定めるものとする。
3  都道府県知事は、規制区域を指定する場合には、その旨並びにその区域及び期間を公告しなければならない。
4  規制区域の指定は、前項の規定による公告によつてその効力を生ずる。
5  都道府県知事は、第三項の規定による公告をしたときは、速やかに、指定された区域及び期間その他国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に報告し、かつ、関係市町村長に通知するとともに、当該事項を周知させるため必要な措置を講じなければならない。
6  都道府県知事は、第三項の規定による公告をしたときは、その公告の日から起算して二週間以内に、関係市町村長の意見を付して規制区域の指定が相当であることについて土地利用審査会の確認を求めなければならない。
7  土地利用審査会は、前項の規定により確認を求められたときは、二週間以内に、規制区域の指定が相当であるかどうかの決定をし、都道府県知事にその旨を通知しなければならない。
8  都道府県知事は、規制区域の指定について第六項の確認を受けられなかつたときは、その旨を公告するとともに、国土交通大臣に報告しなければならない。
9  規制区域の指定は、前項の規定による公告があつたときは、その指定の時にさかのぼつて、その効力を失う。
10  都道府県知事は、規制区域を指定した場合には、当該区域を含む周辺の地域における地価の動向、土地取引の状況等を常時は握するため、これらに関する調査を行わなければならない。
11  都道府県知事は、規制区域の指定期間が満了する場合において、前項の規定による調査の結果、指定の事由がなくなつていないと認めるときは、第一項の規定により規制区域の指定を行うものとする。
12  都道府県知事は、第十項の規定による調査の結果、規制区域についてその指定の事由がなくなつたと認めるときは、その旨を公告して、当該規制区域の指定を解除するものとする。
13  都道府県知事は、前項の規定による公告をしようとするときは、あらかじめ、その旨を関係市町村長に通知し、当該関係市町村長の意見を付して規制区域の指定の解除が相当であることについて土地利用審査会の確認を受けなければならない。
14  第五項の規定は、第十二項の規定による公告について準用する。この場合において、第五項中「指定された区域及び期間その他国土交通省令で定める事項」及び「当該事項」とあるのは、「その旨」と読み替えるものとする。
15  前三項の規定は、規制区域に係る区域の減少及びその公告について準用する。

建太郎「なるほど、いったん、規制区域の指定について公告した後で、土地利用審査会の確認を求めるわけか。土地利用審査会がダメだと言ったら、ダメでしたという広告をして、効力が失われると」
美里「そうだよ。手順が違うということを押さえておいてね」
建太郎「はあ……。ややこしいな」
美里「3はどう?」
建太郎「市街化区域で届け出が必要なのは二千平方メートルの場合だよな」

(土地に関する権利の移転又は設定後における利用目的等の届出) 抜粋
第二十三条  土地売買等の契約を締結した場合には、当事者のうち当該土地売買等の契約により土地に関する権利の移転又は設定を受けることとなる者(次項において「権利取得者」という。)は、その契約を締結した日から起算して二週間以内に、次に掲げる事項を、国土交通省令で定めるところにより、当該土地が所在する市町村の長を経由して、都道府県知事に届け出なければならない。

2  前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する場合には、適用しない。
一  次のイからハまでに規定する区域に応じそれぞれその面積が次のイからハまでに規定する面積未満の土地について土地売買等の契約を締結した場合(権利取得者が当該土地を含む一団の土地で次のイからハまでに規定する区域に応じそれぞれその面積が次のイからハまでに規定する面積以上のものについて土地に関する権利の移転又は設定を受けることとなる場合を除く。)
イ 都市計画法第七条第一項 の規定による市街化区域にあつては、二千平方メートル
ロ 都市計画法第四条第二項 に規定する都市計画区域(イに規定する区域を除く。)にあつては、五千平方メートル
ハ イ及びロに規定する区域以外の区域にあつては、一万平方メートル
二  第十二条第一項の規定により指定された規制区域、第二十七条の三第一項の規定により指定された注視区域又は第二十七条の六第一項の規定により指定された監視区域に所在する土地について、土地売買等の契約を締結した場合
三  前二号に定めるもののほか、民事調停法 による調停に基づく場合、当事者の一方又は双方が国等である場合その他政令で定める場合

建太郎「これって、合わせて二千平方メートル以上取得する場合は届け出が必要なんだよな」
美里「もちろんだよ」
建太郎「じゃあ、2500平方メートルということで届け出が必要?」
美里「違うよ。届出が必要なのは、『土地売買等の契約を締結した場合』だよ。土地売買等の契約って何か分かっているよね?」
建太郎「そういえば、ややこしい話があったんだよな」

(土地に関する権利の移転等の許可)
第十四条  規制区域に所在する土地について、土地に関する所有権若しくは地上権その他の政令で定める使用及び収益を目的とする権利又はこれらの権利の取得を目的とする権利(以下「土地に関する権利」という。)の移転又は設定(対価を得て行われる移転又は設定に限る。以下同じ。)をする契約(予約を含む。以下「土地売買等の契約」という。)を締結しようとする場合には、当事者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。その許可に係る事項のうち、土地に関する権利の移転若しくは設定の予定対価の額(予定対価が金銭以外のものであるときは、これを時価を基準として金銭に見積つた額。以下同じ。)の変更(その額を減額する場合を除く。)をして、又は土地に関する権利の移転若しくは設定後における土地の利用目的の変更をして、当該契約を締結しようとするときも、同様とする。
2  前項の規定は、民事調停法 (昭和二十六年法律第二百二十二号)による調停に基づく場合その他政令で定める場合には、適用しない。
3  第一項の許可を受けないで締結した土地売買等の契約は、その効力を生じない。

建太郎「要するに、選択肢3の場合は、残りの1000平方メートルをC社から贈与で取得した。となっているから、この分は、届出しなくてよいと?」
美里「そういうことだよ。ということで、B社から購入した1500平方メートル分の土地売買等の契約に過ぎないということになって、届出は不要だということになるよ」
建太郎「なるほどな」
美里「4はどう?」
建太郎「交換は、土地売買等の契約に当たるんだよな」
美里「あたるよ」
建太郎「ということは、どちらも、届出が必要な面積以上となっているから、届け出が必要なんだな」
美里「そうだよ。『面積以上』となっていることを確認しておいてね。つまり、五千平方メートルでも届け出が必要だよ」
建太郎「OK」
美里「ということで答えは?」
建太郎「3なんだな」



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