初めての宅建士資格試験重要過去問

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宅建士試験過去問 宅地建物取引業法 業者自ら売主となる売買契約 1-52 平成14年 / 宅建はライトノベル小説で勉強しよう

宅地建物取引業者Aが、自ら売主となり、宅地又は建物を売買する場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、買主BCDEはいずれも宅地建物取引業者ではないものとする。

1、買主Bとの売買契約において、物件が競売で取得した中古住宅であるため、現状有姿とし瑕疵担保責任の期間を「引き渡しから半年まで」と定めた契約書の条項は有効である。
2、買主Cとの未完成物件の売買契約において、手付金を受領する場合、保証委託契約による保全措置の対象は、代金の額の百分の五を超え、かつ、この金額が1000万円を超える部分である。
3、買主Dとの未完成物件の売買において、宅地建物取引業法第41条に規定する手付金等の保全措置が必要であるにもかかわらず、Aが当該措置を講じないときは、Dは、手付金等を払わないことができる。
4、買主Eとの割賦金販売契約において、「Eが割賦金の支払いを40日以上遅延した場合は、催告なしに、契約の解除又は支払時期の到来していない割賦金の支払いを請求することができる」と定めた契約書の条項は有効である。


建太郎「むむっ……。これは難しいぞ」
愛「難易度は高いかもしれないが、ミスするなよ!」



愛「答えはどれだ?」
建太郎「うーん。正しいと確信できるのは、3だな」
愛「そうだ。まず、1は何が問題になっているかわかるか?」
建太郎「次の条文か」

瑕疵担保責任についての特約の制限)
第四十条 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物の瑕疵を担保すべき責任に関し、民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百七十条において準用する同法第五百六十六条第三項に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から二年以上となる特約をする場合を除き、同条に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。
2 前項の規定に反する特約は、無効とする。

民法
(売主の瑕疵担保責任
第五百七十条 売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。

(地上権等がある場合等における売主の担保責任)
第五百六十六条 売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
2 前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。
3 前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。

建太郎「瑕疵担保責任の期間を「引き渡しから半年まで」とする契約は当然、民法の規定よりも買主に不利となる特約だから無効だよな」
愛「それだけじゃないぞ。現状有姿とするという特約もだぞ」
建太郎「うん?そうなのか?」
愛「現状有姿は、第五百七十条に規定する瑕疵担保責任よりも範囲が狭いから、買主に不利となる特約に当たるんだよ」
建太郎「うーむ。そういうことか」
愛「2はとうだ?」

(手付金等の保全)抜粋
第四十一条 宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建築に関する工事の完了前において行う当該工事に係る宅地又は建物の売買で自ら売主となるものに関しては、次の各号のいずれかに掲げる措置を講じた後でなければ、買主から手付金等(代金の全部又は一部として授受される金銭及び手付金その他の名義をもつて授受される金銭で代金に充当されるものであつて、契約の締結の日以後当該宅地又は建物の引渡し前に支払われるものをいう。以下同じ。)を受領してはならない。ただし、当該宅地若しくは建物について買主への所有権移転の登記がされたとき、買主が所有権の登記をしたとき、又は当該宅地建物取引業者が受領しようとする手付金等の額(既に受領した手付金等があるときは、その額を加えた額)が代金の額の百分の五以下であり、かつ、宅地建物取引業者の取引の実情及びその取引の相手方の利益の保護を考慮して政令で定める額以下であるときは、この限りでない。

宅地建物取引業法施行令
(法第四十一条第一項ただし書及び第四十一条の二第一項ただし書の政令で定める額)
第三条の三 法第四十一条第一項ただし書及び第四十一条の二第一項ただし書の政令で定める額は、千万円とする。

建太郎「代金の額の百分の五以下、千万円以下であれば、保全措置が必要ないとされているのであって、手付金の保全措置を講じる場合は、全額について、講じなければだめだよな」
愛「そうだ。3はどうだ?」
建太郎「条文そのままだな」

(手付金等の保全)抜粋
第四十一条
4 宅地建物取引業者が、第一項に規定する宅地又は建物の売買を行う場合(同項ただし書に該当する場合を除く。)において、同項第一号又は第二号に掲げる措置を講じないときは、買主は、手付金等を支払わないことができる。

愛「4はどうだ?」
建太郎「催告なしにというのが間違いだな。『三十日以上の相当の期間を定めてその支払を書面で催告し』なければならないとされている。もちろん、これに反する特約は無効とされている」

(宅地又は建物の割賦販売の契約の解除等の制限)
第四十二条 宅地建物取引業者は、みずから売主となる宅地又は建物の割賦販売の契約について賦払金の支払の義務が履行されない場合においては、三十日以上の相当の期間を定めてその支払を書面で催告し、その期間内にその義務が履行されないときでなければ、賦払金の支払の遅滞を理由として、契約を解除し、又は支払時期の到来していない賦払金の支払を請求することができない。
2 前項の規定に反する特約は、無効とする。

愛「そうだ。以上に取り上げた条文はすべて暗記しろよ」
建太郎「おう」










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