初めての宅建士資格試験重要過去問

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宅建士試験過去問 宅地建物取引業法 業者自ら売主となる売買契約 1-54 平成15年 / 宅建はライトノベル小説で勉強しよう

宅地建物取引業者Aが自ら売主となり、宅地建物取引業者ではない買主Bとの間で、中古住宅及びその敷地である土地を代金3500万円、うち手付金を500万円で売買契約を締結しようとする場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法及び民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1、相手方が契約の履行に着手するまでは、Bは、手付金のうち、250万円を放棄して、また、Aは、1000万円を償還して、契約を解除することができる。
2、債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償額の定めがない場合、損害賠償の請求額は、売買代金の額の2割である700万円が上限である。
3、Aは、契約締結日に手付金を受領する場合、その全額について、受領後直ちに宅地建物取引業法第41条の2に規定する手付金等の保全措置を行わなければならない。
4、Aが瑕疵担保責任を負うべき期間について定めがある場合、「引き渡しの日から1年」とする特約は無効であり、当該期間は、「引き渡しから2年」となる。



愛「これも条文を知っているかどうかだけの問題だ。即答しろ」
建太郎「おう」



建太郎「答えは1だな」
愛「まず、1から見ていくぞ。どうして正しいんだ?」
建太郎「買主Bに有利な特約だからだよな」

(手附の額の制限等)
第三十九条 宅地建物取引業者は、みずから売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の十分の二をこえる額の手附を受領することができない。
2 宅地建物取引業者が、みずから売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して手附を受領したときは、その手附がいかなる性質のものであつても、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手附を放棄して、当該宅地建物取引業者はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。
3 前項の規定に反する特約で、買主に不利なものは、無効とする。

建太郎「手付金の額については、代金の額の十分の二までとされているから、設問の場合、700万円までOKということで問題ない。それから、契約解除するには、『買主はその手附を放棄して、当該宅地建物取引業者はその倍額を償還して』するとされているところ、買主が放棄するのは手附の一部でよいとすることは、買主に有利な特約だから、3項にも抵触しない」
愛「2はどうだ?」
建太郎「損害賠償額の定めがない場合は、民法の原則に従うわけで、上限はないよな。第三十八条の規定は……」

(損害賠償額の予定等の制限)
第三十八条 宅地建物取引業者がみずから売主となる宅地又は建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の十分の二をこえることとなる定めをしてはならない。
2 前項の規定に反する特約は、代金の額の十分の二をこえる部分について、無効とする。

建太郎「損害賠償額の予定等の定めをした場合のみ適用される」
愛「3はどうだ?」
建太郎「その通りだよな」

(手付金等の保全)(抜粋)
第四十一条の二 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買(前条第一項に規定する売買を除く。)に関しては、同項第一号若しくは第二号に掲げる措置を講じた後又は次の各号に掲げる措置をいずれも講じた後でなければ、買主から手付金等を受領してはならない。ただし、当該宅地若しくは建物について買主への所有権移転の登記がされたとき、買主が所有権の登記をしたとき、又は当該宅地建物取引業者が受領しようとする手付金等の額(既に受領した手付金等があるときは、その額を加えた額)が代金の額の十分の一以下であり、かつ、宅地建物取引業者の取引の実情及びその取引の相手方の利益の保護を考慮して政令で定める額以下であるときは、この限りでない。

愛「4はどうだ?」
建太郎「瑕疵担保責任の特約は、『その目的物の引渡しの日から二年以上となる特約』のみが認められているんだよな」

瑕疵担保責任についての特約の制限)
第四十条 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物の瑕疵を担保すべき責任に関し、民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百七十条において準用する同法第五百六十六条第三項に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から二年以上となる特約をする場合を除き、同条に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。
2 前項の規定に反する特約は、無効とする。

愛「特約が無効の場合はどうなるんだ?」
建太郎「民法の原則通りになる」

民法
(地上権等がある場合等における売主の担保責任)
第五百六十六条 売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
2 前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。
3 前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。

建太郎「つまり、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならないということになる」
愛「そうだ。簡単な問題だったな。次行くぞ」









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