宅建士試験過去問 宅地建物取引業法 業者自ら売主となる売買契約 1-51 平成17年 / 宅建はライトノベル小説で勉強しよう
宅地建物取引業者Aが、自ら売主となって、宅地建物の売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものはどれか。なお、この問いにおいて、AとC以外は、宅地建物取引業者ではないものとする。
1、Bの所有する宅地について、BとCが売買契約を締結して、所有権の移転登記が為される前に、CがAに転売し、Aは、さらにDに転売した。
2、Aの所有する土地付き建物について、Eが賃借していたが、Aは当該土地建物を停止条件付きでFに転売した。
3、Gの所有する宅地について、Aは、Gとの売買契約の予約をし、Aは当該宅地をHに転売した。
4、Iの所有する宅地について、Aは、Iと停止条件付で取得する売買契約を締結し、その条件が成就する前に当該物件について、Jと売買契約を締結した。
愛「これは何が問題になっているかわかるな」
「ええっと、宅建業者による他人物売買が認められるかどうかの問題だよな」
愛「そうだ。この程度の問題で間違えるなよ」
愛「答えはどれだ?」
建太郎「1だな」
愛「馬鹿野郎!」
建太郎「えっ。違うのか?」
愛「違うぞ!条文をよく読め」
(自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限)
第三十三条の二 宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物について、自ら売主となる売買契約(予約を含む。)を締結してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一 宅地建物取引業者が当該宅地又は建物を取得する契約(予約を含み、その効力の発生が条件に係るものを除く。)を締結しているときその他宅地建物取引業者が当該宅地又は建物を取得できることが明らかな場合で国土交通省令・内閣府令で定めるとき。
二 当該宅地又は建物の売買が第四十一条第一項に規定する売買に該当する場合で当該売買に関して同項第一号又は第二号に掲げる措置が講じられているとき。
※(手付金等の保全)
第四十一条 宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建築に関する工事の完了前において行う当該工事に係る宅地又は建物の売買で自ら売主となるものに関しては、次の各号のいずれかに掲げる措置を講じた後でなければ、買主から手付金等(代金の全部又は一部として授受される金銭及び手付金その他の名義をもつて授受される金銭で代金に充当されるものであつて、契約の締結の日以後当該宅地又は建物の引渡し前に支払われるものをいう。以下同じ。)を受領してはならない。ただし、当該宅地若しくは建物について買主への所有権移転の登記がされたとき、買主が所有権の登記をしたとき、又は当該宅地建物取引業者が受領しようとする手付金等の額(既に受領した手付金等があるときは、その額を加えた額)が代金の額の百分の五以下であり、かつ、宅地建物取引業者の取引の実情及びその取引の相手方の利益の保護を考慮して政令で定める額以下であるときは、この限りでない。
一 銀行その他政令で定める金融機関又は国土交通大臣が指定する者(以下この条において「銀行等」という。)との間において、宅地建物取引業者が受領した手付金等の返還債務を負うこととなつた場合において当該銀行等がその債務を連帯して保証することを委託する契約(以下「保証委託契約」という。)を締結し、かつ、当該保証委託契約に基づいて当該銀行等が手付金等の返還債務を連帯して保証することを約する書面を買主に交付すること。
二 保険事業者(保険業法(平成七年法律第百五号)第三条第一項又は第百八十五条第一項の免許を受けて保険業を行う者をいう。以下この号において同じ。)との間において、宅地建物取引業者が受領した手付金等の返還債務の不履行により買主に生じた損害のうち少なくとも当該返還債務の不履行に係る手付金等の額に相当する部分を当該保険事業者がうめることを約する保証保険契約を締結し、かつ、保険証券又はこれに代わるべき書面を買主に交付すること。
(適用の除外)
第七十八条 この法律の規定は、国及び地方公共団体には、適用しない。
2 第三十三条の二及び第三十七条の二から第四十三条までの規定は、宅地建物取引業者相互間の取引については、適用しない。
愛「原則として、自己の所有に属しない宅地又は建物について、自ら売主となる売買契約(予約を含む。)を締結してはならない。とされている。まずこれを押さえろよ。」
建太郎「おう。ただし、例外があるということだよな」
愛「そうだ。例外に該当するかどうかを一つ一つ確認するんだぞ。まず、1はどうだ?」
建太郎「うーん。つまり、売買契約はなされているけど、登記は、まだ、なんだよな。でも、第三十三条の二 一号にある通り、売買契約さえなされていれば、登記がなくてもOKということか」
愛「当事者の間では、契約だけで所有権が移転するだろうが。条文にも登記が必要とは書かれていないだろ」
建太郎「ということは、1は違反しないわけだな」
愛「2はどうだ」
建太郎「自己所有物件の売買だから、停止条件付きだろうと、賃借中でも問題ないと」
愛「3はどうだ?」
建太郎「第三十三条の二 一号にある通り、売買契約の予約をしていれば問題ないということだな」
愛「4はどうだ?」
建太郎「第三十三条の二 一号のカッコ書きに抵触するわけだな。(予約を含み、その効力の発生が条件に係るものを除く。)とある。つまり、条件つきの契約の場合は、条件が成就しなければ、転売してはいけないわけか」
愛「そうだ。すると答えはどれか分かるだろ」
建太郎「4なんだな」
愛「この程度の問題でつまずくなよ。次行くぞ」
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→ ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 宅建業法1
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